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物流ニュース
運送業に求められるメンタルヘルス対策
2011年4月5日
うつ病など精神疾患が労働災害の主役になってきている。「仮に労使トラブルで労働者がうつ病などを発症したとして、労基署に駆け込んだ場合は大事になる」という専門家もいる。運送事業は精神疾患に係る可能性も多く、各社の対策も重要だ。
職場における精神障害の原因は、過重労働や上司からのパワーハラスメントなどで、何も対策を講じていなければ、裁判にもちこまれると会社側が敗訴する。専門家によると、万一、会社の責任で精神疾患になり自殺などした場合は、会社に求められる補償は1億円を超えるという。中小企業だと、その補償金だけで経営を傾けてしまいかねない。
また、当事者が退職した後でも、精神疾患の発症要因が前職場にあったことが証明されれば責任は免れない。人を雇うということ、人を使うということの責任の重さを自覚しない経営者にとって、厳しい時代になってきている。
一方で精神疾患が発症した場合には、零細運送事業者は対処しがたい事態も想定される。例えばドライバーが精神疾患を発症し、治癒した後のリハビリ出社などだ。リハビリのため、長時間の運転ができないドライバーを、どのように復職させるのかが難しい。
さらに、解雇など雇用の不安から、ドライバーが精神疾患の状況を報告しなかった場合の問題もある。治療で睡眠導入剤が処方されていた場合、運転にも支障が出る場合も考えられる。
元来、運送事業は長時間労働や時間指定などのストレスにさらされているようだ。ある事業者は昔、睡眠時間を削ってトラックを走らせ、仮眠の時にタバコに火をつけて寝たという。タバコの火が指先まで燃えてくると熱さで目が覚めるという方法だ。非常識なやり方ではあるが、いつかはまともな仕事をする夢があり、一緒に夢に向かって働く仲間がいた。
いまはどうだろう。苦労して資金を貯めて、いつか運送会社で独立するという夢を描けるだけの給料が支払われているのだろうか。従業員の幸せを提供できているだろうか。少しでもミスをしたら解雇など、常に不安にさらされた状況に陥ってはいないだろうか。
最も人材の重要性を感じてきたとも言える運送業界。運転する「人」がいてこそ事業は成り立つ。その人材を大事にすることを社訓とする事業者も少なくないが、メンタルヘルス対策は、事業者の人材への考え方の変革から始まるとも言える。この記事へのコメント
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何も変わってない
そら人手不足なるよね
きっちり鬱でましたわ