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    知らぬ間に「運び屋」 覚せい剤や拳銃の密輸入で

    2013年7月18日

     
     
     

     盗まれたトラックが「ヤード」で解体され、海外に密輸される事件が話題になっているが、コンテナや積み荷である機械製品・部品などを利用して覚せい剤や拳銃などを密輸入し、物流事業者を知らぬ間に「運び屋」にしてしまうケースも増えている。横浜税関広報広聴室の三浦達久室長は「知らぬ間に悪事に加担することを防ぐためにも、埠頭ゲート付近を何度も往き来する不審者を見かけたり、インボイス(送り状)と違う物品を発見した場合は、すぐに最寄りの税関に連絡してほしい」と呼び掛けている。


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     財務省によると、平成24年の1年間に全国の税関が空港や港湾などで押収した不正薬物は、覚せい剤・大麻など粉末状薬物で626キログラム、MDMA(合成麻薬)・向精神薬など錠剤型は1万6000錠と過去10年で最高をマークした。拳銃や鉄砲の部品密輸入も急増しているという。
     不正薬物の密輸入の手口で、最も多いのは「運び屋」を利用した航空機旅客によるもので、昨年の摘発件数は84件、204キログラムを押収。「3年連続の200キロ超」となった。このほか「国際郵便」による密輸入の摘発も31件、35キログラムを押収。国際郵便を悪用するケースは「ここ数年急増している」という。
     大口化とともに増えているのが国際海上コンテナや輸送商品に細工をして、物流事業者を知らぬ間に「運び屋」にしてしまうケース。昨年10月、東京税関は中国から到着した海コン貨物から覚せい剤44キログラムを押収。覚せい剤は積載品のウインチ内部に巧妙に隠されていた。12月には門司税関がオランダから博多港に到着した海コン貨物の検査で、コンテナに収納されていた「ロードローラー」内部に隠匿された覚せい剤109キログラムを発見、摘発した。海コンでは過去(平成12年10月)、横浜税関管内の本牧ふ頭で、コンテナ側壁に隠された覚せい剤250キログラム(末端価格150億円、使用可能回数833万回)が押収、摘発された事件もあり、各地の税関は細心の注意を払っている。
     ただ、本牧ふ頭の場合も、扉を開けた検査官が規格とわずかに違うハコの内部の寸法を「ちょっと変だ」と感じたことで発覚した。現在、利用されているX線検査も巧妙な細工がされていれば発見できない可能性が高く、摘発は「氷山の一角」ともいえる。
     コンテナや商品に隠匿された事件が大きく報道されなかったり、発見から時間が経過してから公表されるのは、税関や警察が犯人グループを一網打尽にしようと「CD(コントロールデリバリー)」捜査をするためで、現在もCD操作中の事案が多数存在する。三浦氏は物流事業者、倉庫事業者に「輸入者の所在地、貨物内容から見て配送先が不自然(マンション宛の大量貨物、一般駐車場や野原への配送など)」な場合や「塗装・溶接に不自然な補修の形跡がある」「同一貨物の中に異なるマーク、印がついている」「輸入者の事業内容と輸入貨物が異なる」など、「おかしいと感じたら、すぐ税関に連絡してほしい」と呼び掛けている。

     
     
     
     

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