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ブログ・小山 雅敬
第130回:高卒新卒者の採用にチャレンジしたい
2018年5月8日
【質問】我が社では今年から高校新卒者の採用にチャレンジすることを検討しています。取り組みのポイントや注意点があれば教えてください。
高校新卒者の採用活動は、ごく短期間に集中して行う必要があり、中途採用や大学新卒者の採用と異なる点に注意が必要です。実質的な採用活動は6月から9月の3か月間に行われます。6月1日以降、ハローワークに求人申込書を提出し、7月1日以降にハローワークから確認印を押した求人票が返戻されたら、それを希望する高校に提出します。7月下旬から夏休み期間中に職場見学を受け入れます。9月5日以降、応募書類が高校から送られて来たら、選考日時を高校に連絡します。
採用選考は9月16日以降に行います。採用試験実施後、7日以内に採否を高校に連絡する必要があります。このように高校とハローワークを通して短期間に行うのが、高校新卒者の採用活動です。最近の若者は以前と価値観が変わりつつあり、給与の額よりも休暇や福利厚生、労働時間などに高い関心を持つ傾向があります。また人間関係の良い職場を求める傾向が強く現れています。従って、求人申込書の書き方も、働きやすさや新人のサポート体制、キャリアアップの仕組みなどに重きを置いて書く必要があります。この点、中途採用の求人とは少しポイントが異なりますので、注意する必要があります。
また、曖昧な労働条件や誤解を与えるような表現の求人申込書は受理されません。一方、新卒者も中途採用の求職者と同様に会社のホームページを閲覧し、働きやすい会社を見極めようとしますので、ホームページを求職者用に魅力のあるものにする必要があります。しかしながら、見栄えさえ良ければ応募するという単純な行動ではなく、会社の評判なども詳しく見られます。例えば、長時間労働が常態化している、もしくは残業代の未払いで紛争が起きている、などと問題がありそうな会社は敬遠されます。これは新卒者の採用に限ったことではありませんが、コンプライアンス面の課題が残る会社は改善しておく必要があります。
ちなみに若者の関心事をキーワードで並べると①ノルマ無し②サービス残業無し③弁償金無し④やりがい有り⑤賃金明確⑥免許資格取得支援有り⑦指導教育有り⑧休暇有り⑨職場のコミュニケーション良し⑩将来性有り⑪定着率高しがアピールポイントです。
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筆者紹介
小山 雅敬
コヤマ経営
昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。 -
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