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ブログ・高橋 久美子
第139回:どちらの方法で目指しますか
2012年10月30日
これまでお話ししてきたように、残念ながら我々は、あのカッコいい先輩らと同じ戦略で成長することはできません。今の時代の変化に適応した戦略でいかなければならないのです。そうでなければ、勝ち残っていくことはできません。
例えば、いま、あなたが、運送会社を立ち上げたとします。トラック5台、従業員数は5人で、「2年後には年商5億円の会社にするぞ」と目標を掲げました。もちろん、この目標を掲げるのはOKです。しかし、ここで重要になってくるのは、2年後に「どんな方法で年商5億円になっているか?」ということです。
A=トラックを30台にして、倉庫も保有して、年商5億円にする。従業員数は50人になっている。
B=トラック5台のままで、年商5億円にする。従業員数は5人のまま。
あなたはどちらを目指したいですか? 憧れの先輩らの成功モデルは「A」の拡大戦略です。ビジネスだけではなく、あらゆる面で高度成長期の親の価値観によって教育を受けてきた私たちは、「大きいことはいいことだ」という価値観が刷り込まれています。
また、「自己で所有すること」に価値があるという価値観も刷り込まれてきました。ですから、どうしても「A」のように、車庫にずらりとトラックを並べて広い倉庫を所有することが、カッコいい成功パターンだと思いがちです。
ビジネスにおいてだけではありません。プライベートでも同じです。35年のローンを組んででも「一戸建ての持ち家」を持つことが、幸せの形だと思いがちです。
しかし、日本経済がゼロ成長期の現代では、この価値観の刷り込みが邪魔になります。大きいことは、決していいことではない時代になったのです。我々のように小さい企業が「A」の拡大路線を取ることは、正しい戦略とはいえません。むしろ、リスクが大きく、時代に逆境した戦略だと言わざるをえません。この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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