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ブログ・野口 誠一
第9回:倒産の前触れ第4条/経営者ウソをつくようになったとき
2004年1月29日
倒産の前ぶれ15カ条の第3条「経営者に日頃見られぬ不自然な行動があらわれたとき」と第4条「まじめな経営者がウソをつくようになったとき」は、いずれも経営者の言動にあらわれる変化であり、倒産の前ぶれと言っていい。経営者にとって最大の関心事は業績である。
そこが落ち込むと居ても立ってもいられない。熱いトタン屋根の猫も同然である。その焦熱地獄に耐えられず、ふだんはおとなしい経営者が急に威張りだしたら、逆に、いままで横柄だった経営者が低姿勢に転じたりもする。かと思えば、苦しまぎれのウソをついて支払いを延ばしたり、催促の電話にも居留守をつかうようになっていく。なかにはストレスのあまり、ウツやノイローゼ、心身症など、健康倒産に至るケースも少なくない。こうなるといよいよ危ない。健康倒産は往々にして企業倒産に結びつくからである。
このように、経営者の言動の変化は業績を映すリトマス試験紙と言っていい。取引相手の経営者にウソや不自然な言動が目立つようになったら注意を要する。ヘタをすれば不渡りをつかまされたり、連鎖倒産に巻き込まれたりしないともかぎらないのだから。
一方、同じことは自分についても言える。相手を見るということは、相手にも見られるということであろう。が、相手の変化には気づいても、自分で自分の変化に気づくのは難しい。そこで自分の変化を映す鏡が必要になるが、その役を担ってくれるのが社員であり幹部であり、あるいは知人、友人、家族であろう。
しかし、それも経営者に「聞く耳」があればの話で、やはり日頃のありようが問われる。経営者の最大の仕事は「人の話に耳を傾けること」と言っていい。消費者の声に耳を傾け、市場の声を聞く……それができない経営者は、いずれ市場からはじき出される。あの雪印のように。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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