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  • ブログ・野口 誠一

    第347回:手形は明らかに借金

    2012年4月2日

     
     
     

     前回まで、Nさんの倒産体験発表を紹介した。そこには壮絶な人生のドラマがあり、多くの教訓と経営上のヒントがある。彼も「何とかなると思った」「アバウト経営だった」「レバ・タラ経営だった」と述懐しているが、この「何とかなる」感覚が、すでに経営者のものではない。計数をにらみながら、石橋を叩いて渡るのが経営である。


     Nさんにしても、いくら兄と弟がつくった借金とはいえ、9億円もの借金、それも街金融からの借金がどれほどの重圧か、はたしてその重圧に経営が耐えられるか、そのあたりをきっちりと数字にして検討すべきだった。そこをアバウトにしたがために9年間も苦しみ、ついには自殺未遂に追い込まれたのではなかったか。
     私は常々、「経営は数字だ」「社長の仕事は計数管理だ」と言っているが、数字が読めない経営者、計数管理の苦手な経営者も少なくない。その分、どうしてもアバウトになっていく。八起会へ相談に来る経営者のなかにも、アバウトな経営者は少なくない。「借り入れはどのくらいありますか」と尋ねると、平気で「2、3億円ぐらいでしょう」などという答えが返ってくる。これでは先が思いやられる。
     もう一つ、これはNさんに限らないが、経営者はもっともっと手形を恐れなければならない。手形は明らかに借金である。返せなければ(不渡り)すぐさま倒産である。それを、タヌキが木の葉をお札に変えるような感覚でひょいひょい切っていては、自ら倒産のタネをまいているようなものであろう。
     地獄を見た、いや、一度死んだNさんには幸せになってもらいたい。人生の目的は社長になることではない。幸せになることである。Nさん夫婦はいま、幸せに向かってまっしぐらである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    野口 誠一

    八起会 会長
    株式会社ノグチプランニング 代表取締役

    昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
    昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
    しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
    翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
    弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
    再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
    昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
    平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。

    電話番号:03-3835-9510(倒産110番)
    HP:http://yaoki.html.xdomain.jp/

     
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