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  • ブログ・野口 誠一

    第357回:数字と誠意の勝利

    2012年4月23日

     
     
     

     次は金融機関である。Mさんのメーン・バンクは地元のY信用金庫で、そこに1億8000万円の借入金があり、その元利返済は月々170万円である。これが経営に重くのしかかっていることは言うまでもない。Mさんはさっそく「改善方針」と「改善策」を手にY信用金庫と交渉に入った。


     Y信用金庫とは昭和26年以来、親子2代にわたる取引ということもあって、交渉は比較的スムーズに進行した。が、その決め手となったのはやはり7か条の「改善方針」と21項目の「改善策」である。その二つを提示したことで、Mさんの信用と評価は高まった。のちにMさんも「あれがなかったら、話すら聞いてもらえなかったでしょう」と述懐したが、金融機関を説得する武器は「数字」以外にない。
     そしてその数字が、Mさんに「とりあえず1年間、元金の返済を凍結する」「返済は当分、金利分のみとする」「その金利返済も月々120万円から30万円に減免する」という画期的「勝利」をもたらしたのである。つまり、メーン・バンクはMさんが提示した「改善方針」と「改善策」に、「言いわけ」ではなく「やる気」を見て取ったのである。むろん、そこにMさんの誠実な人柄が反映されていたことは言うまでもない。
     この交渉で自信を深めたMさんは、合わせて2000万円ほど借りている他の2行とも同様の折衝に入った。武器はもちろん数字、そして熱意と誠意である。ここでもMさんの「熱誠」が通じ、1行からは月々56万円の元利返済を26万円に、もう1行からは月々32万円の元利返済を16万円に下げてもらい、見事に返済の延長に成功した。
     この時点でMさんは当面の危機を凌いだと言っていい。すべては数字と誠意の勝利である。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    野口 誠一

    八起会 会長
    株式会社ノグチプランニング 代表取締役

    昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
    昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
    しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
    翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
    弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
    再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
    昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
    平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。

    電話番号:03-3835-9510(倒産110番)
    HP:http://yaoki.html.xdomain.jp/

     
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