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    思考のボトルネックを解除しよう!(石川和幸・著、ディスカバー・トゥエンティワン)

    2009年4月10日

     
     
     

    ishikawa.jpgSCMの一端を担う物流業界ではなじみのある「ボトルネック」や「見える化」の考え方–。これを「思考プロセス」に適用し、ビジネスの成果を最大化しようと提唱するのが『思考のボトルネックを解除しよう!』だ。ターゲットとしている若手社会人を中心に、売れ行きも好調だという。経営者も学ぶべきところが多い同著について、著者でSCMコンサルタントの石川和幸氏(サステナビリティ・コンサルティング代表)に話を聞いた。
     「ザ・ゴール」(エリヤフ・ゴールドラット・著)で説明されている通り、「ボトルネック」とは「隘路」を意味し、アウトプット(生産物)を制限する制約条件のことを指す。生産工程で言えば、たとえば作業員Cが「ボトルネック」だった場合、工場全体の出来高がCの能力で決まってしまう。
     『思考の–』には、物理的なボトルネックと同様、「『思考のボトルネック』があなたの頭のよさを決め、あなたのアウトプットを制約している」とある。この「ボトルネック」を見つけ、それをひとつずつ解除していけば、ビジネスのパフォーマンスを飛躍的に向上させることができる–というのが同著のコンセプトだ。同氏はなぜこのような考え方を提唱したのか。


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    「いわゆる『ロジカルシンキング』に関する本が流行し、ビジネスマンが競って読んでいる。しかし、いくら勉強しても、(思考の中で)何か足りないものがあると、その情報は『使えない』ものになってしまうということに歯がゆさを感じていた。『お勉強』しただけで得られた情報は、物事を変えていく力にはならない」
     「思考のボトルネック」と考えられるものとして挙げられているのは、「知識」、「選択」、「生/活力」の3つ。また、「知識」には「情報(マテリアル)」、「手法(メソッド)」、「技能(スキル)」というボトルネックがさらに含まれているとし、その克服方法に多くの紙面が割かれている。
     アクセンチュアや日本総研など、日本を代表するコンサルティングファームで経験を積んできた同氏。同著では、「技能」を習得する方法として「練習」や「体験」を挙げる。コンサルティングの現場では、仮説の立案とその検証、そしてトライ&エラーを徹底的に行うという。同氏は「机上の空論」を嫌うが、その一方で、従業員を抱える経営者にとって現実の「失敗」は許されるものではない。どうすれば良いか。
    「まずは、事象を抽象化し、一般化してみること。そうすることで、ボトルネックが分かり、とるべき対策が分かる。皆さん、『自分の会社は特別だ』と思い込み、冷静な判断ができていないケースが多い」
     「一般化」から「原因(ボトルネック)の究明」、「対策考案」という流れは、簡単そうに見えて、実際にはなかなかできないもの。とかくこのご時世、事業がうまくいかない原因を「不況」や「原油高騰」に求めてしまいがちだ。しかし、同氏は「逆にいまが仕掛けるチャンス」と苦境にある運送事業者にエールを贈る。
    「当然、何もしなければそのまま。チャンスを活かすかどうかは自分次第。現実を突き詰めた上で、理想に向かってジャンプする。この『ジャンプ』に必要なのが、情報であり、手法であり、技能」
     現状を打破するためのヒントの1つとして、同氏は同著でも「手法」のひとつとして述べられている「スコーピング」を挙げる。
    「議論をする際に、どこにフォーカスするのか。企業の経営で言えば『戦うべき領域』。荷主は『ピッキングコストや運賃をこれだけ下げられます』という値下げだけの提案を求めているのではないということ。『うちは倉庫屋、運送屋』というようにスコープを区切っていてはもはや勝てない。ロジスティクス全体にスコープを広げることで、荷主の求める提案ができるようになる」
     コストではなく、「ビジネスモデル」の提案–これができるようになるには、やはり同著で繰り返されている通り、「ボトルネックを解除」するための努力が必要となるのだろう。
     現役のSCMコンサルタントとして、同氏は「SCMの大掛かりな再編がある」と来年以降を予測する。この機会をチャンスととらえられるかどうかで、物流業界での勝ち負けが決まるかもしれない。
    ▼「思考のボトルネックを解除しよう!」石川和幸・著、ディスカバー・トゥエンティワン、1,500円(税別)

     
     
     
     
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