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  • ブログ・鈴木 邦成

    第31回:上海進出の光と影

    2005年6月12日

     
     
     

     日本企業の中国シフトが加速している。だが中国で1億人以上もの人たちが失業中という事実はあまり報道されていない。
    上海の発展とは対照的に中国内陸部の経済開発は大きく遅れている。中国の財政赤字も拡大し、近い将来の財政破綻の危険もある。
     これまで日本では中国のプラス面ばかりにスポットが当てられてきた。日本の製造業、小売業、物流業も上海を「地上の楽園」とでも思って競って進出していった。
     確かに超近代化された国際空港や証券取引所、あるいはリニアモーターカーなど、人目を奪うほどの華やかさが今の上海にはある。日本企業だけではなく欧米資本、華僑資本なども上海シフトを加速させている。


      しかし、実際は上海のビジネスに失敗し、やむなく撤退した日本企業も少なからずある。ヤミクモに中国に進出しても成功を得られるという保証はない。
     こうした光と影の交錯する中国ビジネスで最近、再評価されてきているのが中国東北部の都市である。
    大連、旅順、天津、青島といった日本人の年配の方には懐かしい響きを持つ中国都市への進出が物流企業も含めて増えている。気候も温暖で海産物も多い大連などは日本人の生活サイクルにも合っている。日本企業だけでなく、米国系、欧州系の企業がひしめき合う「国際都市・上海」とは雰囲気も相当に異なる。
     中国にとっても、上海の高度成長は喜ばしいことだろう。だが他地域との経済バランスが崩れ、中国全体の貧富の差が広がることが大きな懸念材料ともなっている。実際、現在の上海の発展状況はバブル的な側面が相当に強いわけでもある。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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