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ブログ・上西 一美
第141回:生活道路時速引き下げへ、死亡率減の時速30km厳守
2025年5月20日
日本事故防止推進機構(JAPPA)の上西です。前回は、生活道路のリスクについてお伝えしました。生活道路とは、幅員が5.5m未満の道路を言い、2026年9月からは、この生活道路の法定速度が時速30kmに下げられる予定です。背景には、年々、事故の死亡者が減少傾向にあるなかで、生活道路での死亡事故の減少率が比較的低いことがあります。各都道府県の警察は、オービスを設置して検挙を行うなど、生活道路の事故防止対策に力を入れています。
この生活道路で、最も注意をしないといけないのは、やはり速度です。「ゾーン30」という制度、皆さんご存知だと思いますが、これは道路1本ずつに制限速度を設けるのではなく、その地域すべてに制限速度を設けるという対策です。特に、学校の近くなどのスクールゾーンに設けられることが多いと思います。この背景には、やはり、生活道路での子どもとの衝突事故が多いからだといえます。
前回もお伝えしましたが、生活道路での交差点は、「構えブレーキ」で進入してください。これは最も多い事故が、交差点での車同士の出会い頭の事故だからです。しかし、もう1つ気をつけないといけないのは、やはり歩行者や自転車との事故です。件数は車同士の事故に比べると少ないですが、死亡率を考えると、非常にリスクが高いのです。そして、このゾーン30の時速30㌔㍍制限にしているのは、実はその死亡率が理由なのです。時速30km以下での死亡率は0.9%に対し、時速30㌔㍍以上では2・7%と3倍に跳ね上がると言われているのです。よって生活道路を走行するときは、時速30km以下を死守することが大切になってくるのです。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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