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    シンコー 梱包を柱に国内外で「一貫物流」構築

    2010年5月21日

     
     
     

     「梱包は物流のスタート。その品物をどう運ぶのが良いかを一番理解しているのが梱包業者」と話すシンコー(東京都大田区)の飯塚知一社長。医療機器やプラント、工作機械・成形機器など重量物の梱包を得意とする同社は、梱包並びに貨物運送事業として創業、1951年に東京都港区で新光運輸を設立した。
     1965年には国内外を得意先とする重量品運搬据え付け作業の関連会社・新光工営(同)を立ち上げ、グローバル化を図っていく。1986年に現社名に改称、1992年に本社を現住所に移転した。


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     売り上げの8ー9割を占めるのが梱包業務で、国内で完成させた機器などを輸出している。飯塚社長は「部品などの製造ラインは海外に出ているが、精度を求める機器類はメイド・イン・ジャパンを求める。この場合、日本国内で組み立てて完成させ輸出する。この部品を始めとする輸入業務の拡大と、部品類を輸出している外国先での輸出業務を拡大していきたい」と話す。
     すでに、中国を相手にエスカレーターの踏み板など製品化したものを現地の関連会社が日本に送り、日本側で国内デリバリーする一連の物流システムが確立している。飯塚社長は「中国との付き合いは15年近くになる。スーパーバイザーとして梱包改善の提案を求められたのが始まり。その後、ハード面も依頼されるようになり、今のシステムが出来上がった。現地から輸出する段階で検品をしっかり行うことで、不良品のムダな行き来をなくすことができる。調達物流の段階での効率化が大変好評で、今後もっと力を入れていく」と説明する。
     さらに、「いくら梱包をしっかりやっても、輸送中はどういう荷扱いをする必要があるかなどの情報をしっかりアナウンスしなければ荷物は守れない。それを的確に出来るのは中身を熟知して梱包するわれわれ梱包業者。送り手、受け手、配送の3役を一つの会社が行う『一貫物流』が、一番安全で安く効率的。実運送でも運送事業者の得手・不得手を見極めて、安易に子会社だからと国内関連会社のシンコーロジテムに配送を振ることはしない」と話す。
     今後の展望として、「医療機器など高価な品では、引き合いが高まっている。既に始めている共同輸送も含め、中国のほか東南アジアなど裾野を広げていく計画」と語る。
     環境に関しては「梱包業界では木枠やパレットなど木材を使うことが多い。計画的に植林・伐採すれば解決できるはず。木材はリユース性、リサイクル性が高く、最後には土に還る。スチール梱包の研究・開発を30年ほど続けているが、何でもスチールが良いとは考えていない」。
     また、「日中韓で梱包規格の統一化を進めているが、中国は広く、統一性を求めるのは不可能。しかし韓国は政府が動いてくれる。その点、日本の政府は何もしてくれないので民間が動くしかない。ハードルは高いが、解決していかなくてはならない」と語る。
    ◎関連リンク→ 株式会社シンコー

     
     
     
     
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