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運送会社
三菱ふそうハラルド社長インタビュー「『All for you』で躍進」
2008年1月29日
2007年、三菱ふそうトラック・バスは、ブランド誕生75周年という大きな節目の年を迎えた。
新型の大型トラック『スーパーグレート』を発表するとともに、国内販売体制を再編することで、アフターサービスへの取り組みなどを強化。新しい企業姿勢として『All for you』を宣言した。
国内販売は、総需要の低迷を受ける反面、海外市場は拡大を続けている。競争が激化するトラック市場で、同社が描く成長戦略とは。ハラルド・ブルストラー社長に話を聞いた。
—2007年を振り返って。
ハラルド・ブルストラー社長「ブランドが75周年を迎える中で、全体的な会社の改善を進められた。4月に新型の大型トラック『スーパーグレート』、6月に新型の大型観光バス『エアロクィーン/エアロエース』を発表することができた」
—東京モーターショーでも注目を集めた。
「次世代大型トラックエンジンとハイブリッド式の作業車『CANTER ECO—D』を参考出品して、大きな成功を収めた。当エンジンは、ダイムラー・トラック部門として初の共同開発で、グループの統合が図られたという意味でも、前進した年になったと思う」
ーサービスの幅を拡大した。
「8月に国内の販売体制を再編し、より一層のアフターサービスを強化させるとともに、サービス拡大に努めた。例えば、販売店での土日営業、メンテナンス修理契約の提供、新保証サービス『EXプラン』を開始した」
—All for youとは。
「『お客様にとってのNo.1企業』『最も信頼される企業』になるための約束と考えている。経済性、安全性、環境性、運転の快適性、デザイン、アフターサービスなど、すべての要素において、最良のものをお客様に提供していきたいという思いが込められている」
—国内市場は下落しているが。
「当社にとって日本が最も重要なホーム市場であることに揺るぎない。しかし、今年の総需要は前年度比20—25%下がっている。ただ、これは予想していたことなので驚きはない。2008年もこの流れが続くだろう」
—海外販売でカバーする。
「その通り。国内販売でのマイナスは、海外販売でカバーできている。今後は、特にインドネシアが回復する可能性がある。ほか、オーストラリア、南アフリカ、中東、アジア諸国も成長が見込める市場になるだろう。現在、当社の販売構成比は、国内が約3割、海外が約7割」
—小型エンジンを外部から調達するとの話もあるが、今後のエンジン開発の構想は。
「将来的な話としてはある。ただ、それは開発する余裕がないという訳ではなく、最良のものをタイムリーにお客様に提供するのが狙い。そのために、グループ企業同士が力を合わせようということ。東京モーターショーで参考出品した次世代大型トラックのエンジンも、今後、世界中のダイムラー・トラック部門の大型トラックに採用する予定」
—ダイムラーグループでのふそうの役割は。
「ハイブリッド技術の開発、小型トラックの開発、アジア地域で中心的役割を担っている」
—運送業者へのPRを。
「原油高の影響でお客様が苦境に立たされていることは理解している。そういった状況に少しでも貢献できるような経済性能、環境性能、安全性に優れたエンジン・モデルを開発、そして商品化することで、このニーズに応えていきたい」
ハラルド・ブルストラー社長:1950年ドイツ出身、ドイツ・ゲッティンゲン大学卒業。1977年ダイムラー・ベンツAGに入社。その後、マイクロ・コンパクト・カー・スマート社の生産本部副社長、三菱自動車工業常務執行役員、ダイムラー・クライスラーAG、メルセデス・ベンツ乗用車購買本部副社長などを歴任。2005年、三菱ふそうトラック・バス社長兼最高経営責任者に就任。現在に至る。 -
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