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物流ニュース
「60歳からでは遅い」社長交代のタイミング
2020年4月27日
帝国データバンクの調査によると2019年の社長の平均年齢は59.9歳(前年比+0.2歳)と、過去最高を更新した。経営者の高齢化が進む中で、70代以上でも第一線として活躍する社長も珍しくないが、近年では社長が高齢を迎え、事業承継できずに休廃業・解散、倒産に追い込まれるケースも散見される。
会社経営の中で避けては通れない社長交代。「60歳から後継者育成を進めるのでは遅い」と話す運送経営者がいる。京都府の事業者社長は「以前から60歳を社長交代の目安としており、来年で引退し、後継者に引き継いでいく」と自身の考えを明かす。
60歳での社長交代は、今では少し早いという印象を受けるが、「健康な時にこそ、次の手を打たなければいけない。また、私がこれ以上社長業をしていても、会社にさほどプラスにはならないと感じた。それならば若い人材に託して、柔軟な思考で会社を引っ張っていってもらえる方が会社の成長につながる」と話す。
後継者に安心して会社を譲るのに5年、10年かかったという場合もあることから、早期に交代を宣言し準備期間を長めに取るというケースが増えている。多くの社長が就任した数十年前と決定的に違うのは、環境変化のスピードが速いことだ。時代の先読みができ、実行できるかが重要になるため、一概に社長の年齢で決めるものではなく、新しい時代の流れを感じることができる人が、経営を実行し続けるかどうかという視点で決めていくべきだろう。社長の引き際は難しく、創業者で会社に愛着があればあるほど、社長から退きたくないという思いが強くなるのも無理はない。
社長を任せるということは、責任者が代わることを意味し、責任者が交代すれば、仕事のやり方も戦略も変わってくる。前任の社長は、自分と違う意見や考えを持つ人間でも任せられるのかを、時間をかけて見極める必要がある。後継者が引き継ぐことを決めた場合、社員や会社関係者が心理的に決定をスムーズに受け入れるかどうかが重要になる。
企業の多くは社員から昇進して経営者になるケースがほとんどだった。しかし今後は、時代の変化の波が激しく、社員からの登用に、こだわる必要がなくなる可能性もある。会社のリーダーを育て、どう変わっていくかは、今後の企業の大きな課題といえる。
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