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物流ニュース
特積み初の求荷・求車ネットワーク「エコアライアンス」発足
2009年7月8日
特積み業界初の求荷・求車ネットワークが発足――。セイノーホールディングス(田口義隆社長、岐阜県大垣市)は6月29日、特積み事業者10社が幹線運行の空きスペースを利用し合う求荷・求車システムのマネジメント会社「エコアライアンス」を設立したと発表。国内貨物量が減少傾向の中で、運行車の積載率向上と傭車費用の削減を図り、特積み業界全体の「最適物流」の実現を目指す。
求荷・求車ネットワークは、貸切トラックで普及が進むが、「日々の貨物量の変動が読めない特積み業界では初めて」(田口社長)。10月にも本格稼働する。
ユニットボックスと秋山取締役
エコアライアンスに参加するのはセイノーHDのほか、トナミ運輸(綿貫勝介社長、富山県高岡市)、近物レックス(小中章義社長、静岡県駿東郡清水町)など計10社。「特積み業界におけるシェアは10社合計で約20%に上る」(セイノーHD)で、今後は他の事業者の参加も募る。
新会社の社長はセイノーの田口社長が兼務、西濃運輸(大垣市)の那須野昌隆社長も兼務して代表権を持つ。資本金は1億円、立ち上げ時点ではセイノーの100%出資だが、参加事業者を中心に出資を呼び掛けていく。
参加事業者は北海道から九州まで10か所のハブ拠点間の幹線輸送網を共有。インターネット上で運行便の空きスペース状況を開示し、求車側はその情報を見て荷物を出す。運賃は両社の個別交渉によって決まる。
荷物のやりとりにはセイノーが独自に開発した「ユニットボックス」を使用。内寸が約2.5立方mで耐荷重は600kg、大型車に14本積載できる。求荷情報と実際の輸送はボックス単位で行い、全社が統一ボックスを使用することで作業形態と作業導線を効率化する。なお、既に特許は取得済み。
新会社の収益源は1台あたり月間約1400円(予定)のボックス使用料と荷物のマッチング(成約時)時に発生するロイヤリティ。初年度の年商は2000万円を計画している。
特積み業界は輸送量減少、燃料費や車両価格の上昇、適正運賃とかけ離れた運賃実態などで営業利益率が低水準となっている。「特積み業界全体の費用構造改革が必要」とセイノーが特積み各社に参加を呼び掛け、1月に共同運行などをワーキンググループで検討。「求荷・求車の仕組みが必要」として、運営は中立の機関が推進すべきだと判断した。システム利用者は特積みのほかに一般貨物事業者、航空貨物フォワーダーなどを想定している。
田口社長は「荷主企業と求荷企業と求車企業の三者にメリットのあるシステム。これまでの幹線輸送は地方の『路線バス』に近かったが、幹線網を共有することで特積みのJR化(ダイヤグラム化)を実現」と話している。
このほかのエコアライアンス参加企業は次の各社。岡山県貨物運送(岡山市北区)▽久留米運送(福岡県久留米市)▽第一貨物(山形県山形市)▽中越運送(新潟市中央区)▽新潟運輸(同)▽武蔵貨物自動車(埼玉県川越市)▽三八五流通(青森県八戸市) (中道幸男記者)この記事へのコメント
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