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    家電リサイクル法がネック ゴミ処分に対応できず

    2011年3月7日

     
     
     

     「家電リサイクル法は引っ越しの現場を無視した欠陥法。改正してほしい」。各地の中小引越業者から悲鳴が上がっている。少子化や景気低迷による人事異動の抑制などで年々、縮小を続ける引越市場。内需に頼らざるを得ない業種であり、正に「品質とサービス」が勝敗を分ける。ところが現場では顧客から「ゴミなので処分してほしい」と頼まれても家電リサイクル法がネックとなり、引越業者が対応できないケースが増加。同法で「サービスメニューが削られてしまった」と嘆く。
     環境省は2013年2月までに同法の2回目の見直しを行うが、ある引越業者は「このままでは中小は生き残れない。引越輸送の特例を設けてほしい。全ト協などで動いてもらえないだろうか」と話している。


     家電リサイクル法は01年4月に施行。「ブラウン管式テレビ」「エアコン」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機」の大型家電4品目についてメーカー、小売業者に回収を義務付けた。これらの製品がゴミとして出される場合、一般廃棄物収集運搬業者でない引越業者は運んだり、保管したりできない。運んだ場合、廃棄物処理法違反などで最低でも30万ー50万円の罰金となる。
     さらに09年4月には「液晶テレビ・プラズマテレビ」「衣類乾燥機」の2品目が追加された。かつて多くの引越業者のメニューにあった「大型家電ゴミの処分」ができなくなっている。
     全ト協の引越部会(鈴木一末部会長)では「運ぶ場合は必ず一般廃棄物収集運搬業の許可を得てほしい。そうでなければ一切、手を付けないこと」と指導している。同収集運搬業を許可するのは市町村だが、許可基準はバラバラ。「書類さえ整っていれば申請から1か月ほどで許可」する自治体がある半面、「うちは20社(者)に限定しており、今のところアキはない」というケースもある。多くは既得権益が重視され、新規に許可を得ることは困難な状況。多くの引越業者は「顧客ニーズに対応するには家電リサイクル法そのものの改正が必要」と主張する。
     1970年代以降、急成長を遂げた引越業界。「1兆円市場も夢じゃない」とまで囁かれたものの、現在の市場規模は「5000億円台にまで縮小した」との指摘もある。前3月期決算をみると、日本通運が1兆6000億円、ヤマトホールディングスは1兆2000億円。これら金額の半分にも満たない市場に専業、兼業を含め3000社がひしめく。
     限られたパイの中で一部の大手のみ右肩上がりに売り上げを伸ばす一方、中小の売り上げは減少傾向にある。「ゴミといえども扱いたい」は本音だ。各地の自治体から「マッサージチェア」「電子レンジ」も対象に加えてほしいとの要望が相次ぐ中、環境省は小型家電にもリサイクル義務を設ける考えを明らかにした。携帯電話などから「レアメタル」を回収するのが主な狙いだが、予定品目には「電気掃除機」「ヘアドライヤー」「オーディオ」「DVDプレーヤー」など電気製品は軒並み候補に挙がっている。
     据え付け家具が増え、以前のように大きなタンスなどが運ばれることは少なくなってきた。「少人数・小荷・小額」引っ越しが増加する市場で、「顧客が身の回りの物を買い換えるケースでは、われわれの扱える品物がますます少なくなってしまう」と危惧する声も出ている。
    ◎関連リンク→ 環境省

     
     
     
     

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