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    支払えぬ「家賃」 定期借家契約の落とし穴

    2011年5月10日

     
     
     

     不動産業者が使用者の希望に沿った施設を準備し、その条件として使用者は最低の入居年数を決めて入居するという定期借家契約を結ぶ。物流業界でも、倉庫や物流センターを借りる際に使われる手法で、こうして不動産業者や倉庫業者と契約している運送事業者も少なくない。しかし、右肩上がりとはいかない経済情勢にあって、いま、この契約手法が契約者の重荷となって、経営を圧迫する要因となってしまっている事例が出始めている。


     東京都内の事業者は、6年前に倉庫を借りる際、倉庫業者と定期借家契約を結んだ。使い勝手など、同社の要望を聞いた倉庫業者が同社のために、もともとあった倉庫に手を加えて調整し、同社使用の倉庫に変えて契約を結んだ。
     契約の条件は、最低10年間の入居で、その間家賃も同じ額という内容。その後、順調に経営の拡大を進めた同社だったが、リーマン・ショック以降の景気低迷のあおりを受け、成長にかげりが出始め、徐々に雲行きが怪しくなっていく。
     競争激化による運賃下落が続く一方で、燃料コストが上がるなど、収支バランスがどんどん悪化していく状況に、手を打ち始めた同社は、リストラなど、事業の見直しを行っているが、その過程で倉庫の定期借家契約が足かせになってきたという。
     「返して身軽になれるなら、そうしたい」と打ち明ける同社社長だが、そう簡単にはいかない。最低10年間の入居が義務付けられており、少なくともあと4年は契約が残っている。
     さらに、契約不履行の場合、数億円の損害賠償となるという条件まで付いており、同社が簡単に解約を申し込める立場にはない。せめてコストを抑えるため、支払いの抑制を図ろうと考えている同社長は、家賃の値下げを打診する。
     現在、同社の倉庫周辺の家賃相場は当時よりも下がっている。そのため、同社が現在支払っている家賃は相場よりも高く割高感がある。
     同社が家賃の値下げを打診する理由の一つはそこにあるが、しかし、契約上ではそうした打診も無意味だ。家賃の額も契約期間もすべて契約で交わされており、同社都合で変更できるものでもない。
     家賃値下げに応じない業者に対し、「このままいけば会社が持たず、結局、不履行になるだけだ」と開き直るのが精いっぱい。その結果、検討を口にした倉庫業者だったが、社長自身も倉庫業者が従う必要がないこと、そして自社に非があることも承知している。
     「まさか、経済がこんなに悪化するとは予想していなかった」とこぼす同社長は、「右肩上がりで物価も上がる経済情勢では大いにメリットもある契約手法だと言えるが、経済がしぼんでいく状況下では、まさにその逆でデメリットが大きい。市場の動向がつかみ難い中で、長期の契約はやはり結ぶべきではなかった」と反省を口にしている。

     
     
     
     
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