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    外国人雇用の明暗 言葉の壁、就労ビザ問題も

    2011年8月4日

     
     
     

     キツイ・キタナイ・キケンの3Kに「給料が安い」「勤務時間が長い」を加えた5Kの仕事ともいわれるトラック・ドライバー。少子高齢化と、小さなクルマにしか乗れなくなった新しい免許制度などによって、雇用環境は一段と厳しさを増しているのが実情だ。こうした情勢を踏まえて近年、外国人労働者を雇用する運送事業者も増えている。
     ただ、「トラックのハンドルを握らせた」という事業者らに話を聞くと、会話や読み取りなど言葉の壁が原因となって、早々に雇用関係を解消したケースがほとんど。一方、就労ビザの問題もあって簡単に日本の運送会社で働けるわけではないものの、将来の人手不足を見越して一部では「物流業界における外国人の就労チャンス」を探ろうとする動きも見られるようだ。


     工務店の従業員として倉庫の修理にやって来たという中国人の男性を、そのまま倉庫内の作業員として雇用した岡山県の運送会社。社長によれば「人件費などコスト面では日本人を雇うより大幅に安いうえ、いわゆる3Kの仕事をスンナリと引き受ける」とのことで、仕事への慣れを見ながらリフトも扱わせるようになった。3年近く働いて退社したというが、「印象がよかったから、また機会があれば採用してみたいと思う」と話す。
     ただ、こうした声は極めて少数派。ほとんどのケースで言葉や生活習慣の違いなどが障壁となり、長期の雇用につながっていないのが現実のようだ。話を聞いた広島と岡山、山口、兵庫各県の運送会社では、中国人のほかにブラジル人の採用例が目立ったが、コスト面では中国人に比べてブラジル人の給料が高い感覚だ。
     日系3世のブラジル人をドライバーとして雇用したことがあるという山口県の事業者によれば、「担当させたのは定期の仕事。発着地が固定していたから可能だったと思うが、行き先が頻繁に変わる一般の輸送業務の場合は難しいのではないか」と話す。
     同様に「何世だったかは忘れたが、日系ブラジル人にハンドルを握らせたことがあるが、言葉は話せたから荷積み・荷下ろし先での会話などに問題はなかった。ただ、給料は日本人と変わらなかったし、漢字や平仮名が読めなかったから、地図や指示書はすべてローマ字で書く苦労があった」(広島県の運送会社)という声もあった。
     また、限られたパイを巡る過当競争のなかで「品質が勝敗を分ける」との思いを強める事業者も多く、「将来の話は別として、いまの段階では外国人を積極的に採用する気にはなれない」(兵庫県の運送会社)という見方もある。運転マナーや交通ルールの違いなど、安全輸送に直結する部分に首をかしげる関係者が少なくないのも確かだ。
     とはいえ、営業トラックの乗り手が減少傾向にあることも事実で、そうした事情を踏まえてか一部では「運送会社における外国人雇用のチャンス」を探る動きが見られる。人材派遣の仕事などを通じて海外の日系企業の事情に詳しい関係者によれば、「例えば中国。国内の物流インフラが急成長するのと同時にドライバーの運転技術の向上もめざましく、日本でトラックに乗っても十分にやっていけるレベルにある」と説明する。
     とはいえ、「トラックのドライバーとして雇用するために外国人を呼び寄せることは認められない」(広島入国管理局・入国在留審査部門)というのが現状で、「(自由に働けるのは)日本人配偶者や定住者といった在留資格を持つケースや、例えば中華料理の調理師や通訳などの特殊技能を生かす場合」(同)と補足。すでに通訳として日本で働いているからといっても、現行の法律では転職してドライバーになることは認められないのだ。
     国交省では「国際運転免許で営業トラックに乗務しても貨物自動車運送事業法で問題になることはないが、それは就労ビザなどの条件をクリアしている場合の話」(貨物課)と話している。

     
     
     
     
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