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    不条理な運送現場 延着でペナルティ

    2011年9月13日

     
     
     

     非常識が常識化しているのが運送現場とすれば、トラックの待機時間、いわゆる「手待ち時間」の問題は代表的な存在だ。一方、ドライバーの長時間労働や、結果として未払い賃金トラブルの温床ともなっている長時間待機の不条理とは裏腹に、仮に30分でもトラックが延着しようものなら、想像を絶するペナルティが待つ。
     オカシイものはオカシイが、運送関係者の多くが「相手はお客さんだから…」と怒りをこらえ続けるように、公取委や国交省などが適正取引についてアンケートなどの形で調査に乗り出したところで、なかなか現実が浮かび上がらないのが実情だ。


     公取委が物流事業の業界団体あてに8月初旬、「荷主との取引に関する調査」を依頼する文書を送達したのを受け、直ちに全ト協も同趣旨の依頼文を都道府県ト協に向けて発信した。一方、地方運輸局も8月に入って「トラック運送事業を取り巻く環境実態の把握」を目的としたアンケートのため、協力を求める文書を送付。トラック輸送適正取引パートナーシップ会議の資料として活用するのが狙いだ。
     中国運輸局から届いたアンケート用紙を前に、岡山市の運送会社社長は「うちの会社名を書く必要はないし、適当に答えて期限(9月9日)までに送り返そうと思う」と話す。かねて同社も長い待機時間に頭を痛めてきたが、そうした厳しい実情をぶちまける書式ではなかった。
     同社のドライバーは荷下ろし先で3、4時間の待機が通常だという。「待たせるのは半日でも平気だが、立場が逆になれば半時間でも許さない。先日も食品原料を運んだウチのトラックが信じられない目に遭った」。トラックの到着が遅れて工場の仕事に支障が出たという理由で、「損害金として約20万円を請求された」という。これは、同社がもらう予定の運賃の数倍になる。
     鋼材関係をメーンに手掛ける広島県福山市の運送会社も過日、「朝8時ごろに荷物(機械部品)を下ろすとドライバーは聞いていたが、昼近くになっても待機の状態。実際に荷物が下りたのは正午を過ぎていた」が、その後に信じられない連絡が同社に入った。
     「本人に聞く限りは失礼な言い方でもなかった」と社長。それにもかかわらず、先方は電話で「おたくのドライバーが(荷下ろしを)せかしたせいで昼休みに食い込んでしまった、というような内容だった。バカさ加減にあきれるばかりだ」とぶちまける。
     各地のトラック事業者の話から「延着を理由に弁償を求められた」というケースは予想以上に多かった。建設現場へ資材を搬入している神戸市の事業者は「待たせた現場作業員の日当や生コン車、クレーン代などで18万円の請求書が回ってきた」と渋滞による1時間足らずの延着で、その日の仕事は赤字になった。
     広島市の運送会社も建設現場へ搬入する仕事で百数十万円を負担した経験がある。社長によれば「住宅が立ち並ぶ地域へ配慮するという意味で、待機のトラックは対向車両などに進路を譲るといった指導があったのは事実。ウチのトラックが一時的に私有地に乗り上げたところ、その土地の所有者がうるさかった」。結局、建設会社からは工事終了までガードマンを配置することと、費用の百数十万円は運送会社が負担するとの説明があった。
     不公正な取引の是正に向けて関係行政や業界団体も実態調査に努めているが、むしろ「法に触れる・触れない」というレベル以前に、商取引上のモラル欠如という観点から「トラック事業の待機時間の実態」の徹底調査が必要。おそらく常識では考えられない現実が浮かび上がってくるはずだ。

     
     
     
     
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