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    パートナーのはずが 荷主の一方的な要求、現状は「言いなり」

    2011年10月20日

     
     
     

     「荷主とのパートナーシップの構築」と叫ぶトラック業界。しかし、そうしたパートナーシップを築けている事業者は稀で、「荷主の言いなり」というのが圧倒的に多い。そこには交渉の余地もない一方的な要求も少なくない。運賃をいきなり、仕組みから変更すると要求された事業者の苦悩を取材した。


     首都圏で紙輸送を手掛ける事業者に9月下旬、荷主の担当者から連絡が入った。同社社長が内容を確認してア然とした。「来月(10月)から運賃の仕組みを変更するという内容だった」という。
     同社はこれまで、首都圏で物流を確立したい意向の荷主のために、割に合わない仕事も無理をしてこなしてきた。そうしたサービスが受け入れられ、荷主との信頼関係が構築されてきていた。そのため、運賃もこれまで、運んだ分の運賃を支払うという歩合ではなく、物量の多い・少ないにかかわらず、1台当たり月額いくらというチャーター契約が行われてきた。
     しかし、9月末になって月決めから歩合契約に変更するという連絡が入った。それも10月からの変更通告だった。「我々にとって最も大事な運賃を、数日前に変更するということにあきれてものが言えない」という社長だが、それ以上に、「運賃単価も教えられず、計算の仕様がない」と、荷主のいい加減な対応に憤慨する。
     荷主と契約書を交わしているが、運賃を変更する場合、「両者で協議して決める」と明記している。契約途中の変更が可能になっているため、今回の変更も契約違反にはならない。ただ、協議ではなく、一方的に決められることが問題とはいえるが、指摘することは立場上、難しい。
     運賃単価も伝えられておらず、決まっているのは高速料金のみ。新しい運賃の仕組みにした場合の試算ができないだけに、「はい、そうですかと簡単に引き受けることもできない」とこぼす。
     「せめて3か月前に打診があって、それに基づいて話し合い、妥協をして契約内容を変更するというのが常識」と話す社長は、「荷主の優越的地位の濫用だ」と憤慨する。しかし、ただ簡単に従うわけにもいかず、同社長は情報を集めた。結果、月平均すると22%のダウンとなり、高速料金の支給は半額になるという。 
     今回、同社を襲った運賃トラブル。その背景には、荷主側の人事が見え隠れする。今年5月、荷主に新しい役員が就いた。その後、その役員が窓口となる部署の責任者に、同業他社から採用した人間を置いたのだ。
     新しく就任した担当者は、同社とのこれまでの経緯は知らないし関係も薄い。月決めではなく、歩合が主流の運賃形態となっている業界にあって、チャーター契約を続ける同社に疑問を抱くことも十分に考えられた。
     同社長は、「このままでは利益が出ないし、続けていても赤字になるだけ。手を引くことも視野に入れなければならない」と、厳しい胸のうちを明かすが、「とはいえ、簡単に撤退もできない」という。「仕組みを変更するにせよ、1か月でも猶予をもらえるよう交渉していくしかない」と決意を固めている。

     
     
     
     
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