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    事業揺さぶる軽油高騰、暫定税率撤廃運動再燃も

    2012年4月3日

     
     
     

     3月に入って燃料価格が急騰し、トラック運送の事業環境を再び揺さぶり始めた。にもかかわらず、収入面でカバーするはずの「燃料サーチャージ」の届け出件数は一向に伸びていない。また、軽油引取税の暫定税率についても、その撤廃運動はほとんど議論の対象にすらなっていない。
     「早く燃料サーチャージの運動を復活してもらわないと」。60代の運送事業者は3月初旬、近畿の地元事業者が集まる会合で、そのように述べた。
     急騰する燃料価格に連動させてコストを運賃に転嫁するサーチャージ。軽油の市場価格がリッター100円を突破した08年春、国交省と公正取引委員会がまとめたこの措置は、今ももちろん有効で各運輸支局で変更届けを受け付けている。


     この事業者は、燃料価格を理由とした運賃アップが書面上だけでなく、事実上もできる環境づくりを事業者団体に訴えた。
     運賃アップが事実上できる―。この点について、08年頃には混乱した状況があった。実際に荷主や元請け事業者にサーチャージ料金を請求したところ、翌月から取引量が減少するなどの事例が相次いだ。別の事業者は、「燃料に連動して運賃を上げられる業界なら、そもそも公正取引委員会まで出てきて行政主導のサーチャージは必要ない。実際には上げることが難しい業界だからこそ、行政の書類上だけでも形を整えただけに見える」とシニカルにとらえる。
     制度上の届け出状況はどうなっているのか。近畿運輸局によると、今月中旬現在の届け出事業者件数は、大阪325、京都47、滋賀90、奈良47、和歌山91、兵庫162、全体で762件となっている。担当者によると、08年のピーク時とほぼ同程度で、届け出は進んでいない。今月に入ってからも問い合わせすらない状況だという。関係者は、「各社が届け出し、この数字が伸びれば、実態的にも環境が整ってくるのではないか」と話している。
     「レギュラーガソリンが160円以上になったら、暫定税率は取れる制度があったが…」。近畿地方の事業者はそんな話を持ち出した。
     3か月のガソリンの平均小売価格がリッター160円を上回った際に暫定税率の適用を停止する「トリガー条項」は、10年に設けられた。基準はガソリン価格だが、軽油引取税32.1円にも適用され、暫定税率17.1円が非課税になる仕組みだ。しかし、この仕組みは東日本大震災の復興財源に充てるとして、昨年4月に適用が停止される法改定が行われている。つまり、燃料価格がこのまま高騰しても暫定税率は維持し続けるということだ。
     兵ト協の福永征秀会長は先の理事会で暫定税率について、「撤廃運動の再燃を進めることで、近ト協で計画を作るということになっている」と述べ、法的には維持し続けるものではあるが、業界の運動によって撤廃の環境づくりを推進していく方針に言及した。
     兵ト協のある会員事業者も、「撤廃運動再燃を評価する。執行部が動きやすい環境づくりをしていきたい」と述べ、近く開く予定の会合でも意見を出していきたいと述べる。

     
     
     
     

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