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    契約書面化 取引適正化は進むのか

    2014年3月3日

     
     
     

     国交省は運送契約の書面化を進めるため、運送状の発出を標準貨物自動車運送約款における荷主などの義務としたほか、輸送安全規則の改正や書面化推進ガイドラインの制定などを行い、1月22日に発表した。ガイドラインには書面化を進める効果として、「安全運行阻害、荷待ち時間の発生を回避するとともに、運送や付帯業務に伴う適正な代価の収受について効果が期待される。また、消費税の転嫁や燃料サーチャージの導入についても効果が期待される」とあるが、運送会社は、これをどのように受け取っているのだろうか。北海道の事業者の声を拾った。
     農産物を扱うA社は、書面化について「主要な荷主とは書面で契約を交わしているので問題はない」とするものの、全面的に書面化を進める効果について「罰則のない努力目標なら実効性がない」と断言する。


     同社は荷主構内での付帯作業も行っているが、この内容や料金について現状では書面に明記していない。「今さら運賃とは別に『この作業で料金をいくら下さい』とは言いにくく、通ったとしても受け取る総額の中で配分するだけなので意味がない。また、これまであうんの呼吸でやってきた作業について、『この作業はいくら』『契約にないのでやらない』とはならないので何も変わらない」と話す。
     B社は食品関係がメーン。数十社にも及ぶ下請けを使っており、「これまで全ての取引に契約書や運送引受書などを交わしてはいなかったので、原則義務化となると手間だけが増える」と迷惑そうな表情。ただ、「罰則がないなら、しばらく周りの様子を見てから対応を決める」と話し、積極的に書面化を進める考えはないという。
     改正された標準貨物自動車運送約款には、車両留置料として「車両が貨物の発地または着地に到着後、荷送人または荷受人の責により留置された時間(貨物の積み込みまたは取り下ろしの時間を含む)に応じて、当店が別に定める車両留置料を収受する」とある。
     食品や雑貨を運ぶC社は「これが通じるようになるなら物流業界にとって画期的なことだが、何年間も多くのトラックを数時間平気で待たせてきたセンターが、この文章を見て態度を変えるとは到底思えない。荷主が『そんなもの払わない』と言えば、どうしようもない」との感想だ。手待ち時間の解消には、国交省が問題のある現場を調査し、荷主勧告などの処分を下さなければ変わらないとし、「数日現場に張り込めば、どれだけトラックが待たされているかすぐにわかる。こういうことをやめさせたいのなら、規則をつくって放っておくのではなく、見せしめでもいいので積極的に荷主を取り締まる姿勢をとってほしい」と話している。
     トレーラで長距離を走るD社は「現状でも取引適正化のために下請法や独禁法といった法制が整備されているが、ほとんど機能していない。法律を盾に何か訴えたとしても得られるものがないので、立場の弱い運送会社は黙っているしかない。書面化も同じ構図で、取引内容を書面でしっかりと確定したとしても、急な作業や想定以上の手待ちなどは必ず発生する。その際に荷主が追加料金を支払うとは、とても思えない」とし、書面化によって取引の適正化が進むとは見ていない。
     契約の内容はあくまで当事者間での合意に基づくもので、国交省が保証するといったものでもない。国交省が取引適正化のための環境整備に着手したことは、運送事業者にとって不利になるものではなく、むしろ歓迎すべきだろう。このような流れを事業に生かすことができるかどうかは、ひとえに事業者の手腕にかかっている。

     
     
     
     
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