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    北海道電力 事業用電気料金値上げ

    2014年9月2日

     
     
     

     軽油をはじめとしたエネルギー価格の高騰に頭を悩ませるトラック運送事業者は多いが、北海道では電気料金の大幅な値上げが予定されており、実施された場合、収益を圧迫することは確実。道内の事業者からは、北海道電力への不満の声が渦巻いている。
     北電は7月31日、電気料金の再値上げを経済産業省に申請した。これは震災後、全国初のケースで、「泊原発再開のメドが立たず、このままでは燃料調達や保守保全に必要な下期の資金調達が困難になる」とし、国の認可が要らない企業向けの料金を平均22.61%値上げし、10月から実施する方針を発表した。


     荷主から運送事業者まで、北海道で物流に携わるすべての事業者に影響が及ぶことになり、道内の運送事業者からは、自社のコストアップだけではなく、荷主の収益圧迫によって物流コストの見直しに至ることを恐れる声も聞かれる。
     小樽市の運送事業者は「いきなり電気料金を2割も上げると言われて怒らない者はいない。電気料金は転嫁する術がない。納得できないからといって、電気を止めるわけにはいかないというのが余計に頭に来る」とし、千歳市の事業者は「原発が再稼働しなければ、値上がりはずっと続くように思えてしまう。消費者に大きな負担を強いる割に、北電のコスト削減の努力が見えない。うちの従業員並みに給料を下げるというのなら、まだ理解できる」と話す。
     苫小牧市の事業者は「現在、荷主に対して運賃値上げ交渉に回っている最中だが、非常にタイミングが悪く、水を差された感がある。大口需要家である荷主が電気料金を言い訳にして運賃の見直しに応じてくれなくなることも出てくるかもしれない」とこぼすが、このような不安を感じている事業者は少なくない。
     札幌市の事業者は「自社で冷蔵・冷凍施設を持っておらず、大きいダメージを受けるわけではないが、それでも確実に減収要因になる」とし、更に「怖いのは、低温の物流センターを運営している荷主や元請けから何らかの要請があること。電気料金の値上がりを商品価格に転嫁することはないはずなので、どこかにしわ寄せが来る。これを物流に向けられたら大変なことになる」と同様の不安を口にしている。
     大手の卸や小売りと取引のある物流事業者は、「ある小売りの担当者は年間数億円のコストアップになると言っていた。これを吸収するために、物流コスト削減に動いてもおかしくない。少なくとも今後、電気の大口需要家を荷主とする運送事業者は、運賃アップを言いにくくなるのは間違いない」と捉えている。
     北電の発表前の6月に帝国データバンク札幌支店が公表した「電気料金値上げに対する道内企業の意識調査」では、電気料金の値上げで経常利益が「減少する」と考える企業は全体の53.2%で、電気料金の値上げ分を価格に「ほとんど転嫁できない」「まったく転嫁できない」とする企業は全体の64.1%。同支店では「電気料金値上げに対する企業のコスト削減余力は縮小しつつある。そのため、電気料金の値上げが今後も続くならば、企業業績への影響はより深刻なものとなるだろう」と分析しており、道内の運送事業者にとって今後、頭の痛い問題になりそうだ。

     
     
     
     

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