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    改善基準の順守「物理的に不可能」

    2015年4月6日

     
     
     

     「改善基準告示を十分に守ることが難しい」といった声が、主に地方で長距離輸送をメーンに行う運送事業者から聞かれる。初めての「30日間事業停止」処分が出た北海道では、「改善基準の順守に本気で取り組まなければならないと改めて思った。ただ、守りたくても守れない仕事がどうしてもある」(札幌市東区の事業者)などとして、改善基準そのものや、行政処分の基準について見直しを求める意見が強まってきている。
     地方という意味で北海道と同様の九州でも、以前から同様の意見は出ており、九州ト協(原重則会長、西日本急送)では昨年7月、改善基準の見直しを要望する文書を全ト協に提出した。「拘束時間、連続運転時間などの水準について、事業者の立地特性を踏まえ、過労を助長しない範囲で地域ごとに柔軟な水準設定を行えるようにするなど、『実情を踏まえた順守できる水準』に見直していただきたい」と申し入れした。


     同ト協ではその後も8月下旬から10月下旬にかけて、改善基準について会員31事業者へのヒアリング調査と長距離運行の実態分析などを行い、問題点への考察を深める作業を続けた。ヒアリングの結果、拘束時間・運転時間について「大消費地である関東向けのワンマン長距離運行を、告示を順守しつつ翌日着とすることは物理的に不可能」「特産の生鮮品は、到着が1日遅れると商品価値が半減しかねない。地域産業の利益を守るためにも拘束時間、運転時間の緩和・見直しが必要」「基準を緩和できないならコンプライアンスに則った運行を担保する運賃・料金を確実に収受させる制度が求められる」などとまとめた。
     また、連続運転時間について「休憩スペースが十分に整備されていない」「運転時間の基準が一般道でも高速道でも同じであること、四半世紀前の運転環境などをベースとした基準が、そのまま受け継がれていることに疑問がある」といった問題点を指摘したほか、休息期間・休憩時間では「杓子定規に時間を区切って運転離脱などを強制するのではなく、ある程度はドライバーの裁量に任せてほしい」「フェリー乗船中は業務から完全に解放されているので、全乗船時間を休息時間と見なすべき」などとした。
     このほか、「過労を助長させないための目標として存在するのはいいが、トラック輸送を監督する国交省は、目標とする基準とは別に、行政処分の基準をつくるべきではないか」「地域や荷主の業種、業態によって基準が異なってもいいのではないか」など、改善基準のあり方について多くの具体的な意見を集め、取りまとめた。
     長距離運行のデータでは、実際の27運行を分析。この結果、平均の拘束時間は15.3時間、うち運転時間は10.1時間、休息期間は8.7時間となり、拘束時間の原則を「原則13時間から15時間に」「運転時間を(2日平均で)9時間から10時間に」「休息期間を8時間から9時間に」それぞれ見直すと、「基準と実態が一致してくると考えられる」とした。
     今後、地方から改善基準を守れないとする意見がさらに出てくることが予想されるが、こういった意見が行政に聞き入れられ、何らかの見直しにつながるのか、見通しは決して明るくはない。

     
     
     
     
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