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    運送業の激しい人材流動 離職を防ぎ人材定着へ

    2016年8月1日

     
     
     

     大卒者の3年後離職率は「32.3%」と、短期間で離職する割合が高いと言われているが、トラック運送業では年代にかかわらず人材の流動が激しい。昨年8月に厚生労働省が発表した「平成26年度雇用動向調査」において、産業別の離職率では最も高い「宿泊業・飲食サービス業」の31.4%に比べ、「運輸業・郵便業」の13.1%は、突出した数字とはいえない。しかし入職率でみると、「宿泊業・飲食サービス業」の39%に対し、「運輸業・郵便業」は12.9%で、入職率が離職率を下回っていることが分かる。しかも離職率が入職率を上回る業種は、調査にある14業種中でわずか3業種だ。そこで、離職を防ぎ人材を定着させる方法を探ってみた。
     企業の経営資源3要素と呼ばれる「ヒト・モノ・カネ」のうち、一番扱いに困るのはヒトであることは間違いない。ヒトの場合には「採用する」「管理する」という苦労以外にも、「定着させる」という苦労が伴うからだ。定着できなければ採用コストは増すばかりとなる。
     「人材が成長していくためには、ある程度の安定が不可欠」と話すのは、滋賀県の運送事業者社長。「安定がなければ従業員を育成することもできず、特に30代前半までの従業員は不満を持ち次々と辞めていく。新卒者を毎年採用しているのであれば、経営者が採用や育成に明確な考えを持つはずだが、トラック運送業で、そのような会社はごく少数」と持論を展開する。


     中小・零細企業では、創業メンバーで経営者からの信頼が厚い上層部と、その下の一部のお気に入りの従業員だけで動く体制に陥るケースが少なくないようだ。同社長は、「特に若手が離職する理由には、コミュニケーション以外の問題が多いように感じる。年功序列で若手を抑えこみ、ベテランが彼らの頑張りを搾取するような給与体系や社風を改めなければ、離職率が下がることはない」と話す。
     若手と同様、トラック運送業で見逃されてきたのが女性の人材。多くの業種が人材不足に陥る中で、近年見直されているのが「ジョブ・リターン制度」だ。結婚・出産・介護などを理由に退職した社員を、本人の希望により再雇用する制度を指すが、男女を問わず「出戻り社員」を再雇用することを指すこともある。
     大阪市の運送経営者は、「出戻り社員を歓迎するだけでなく、現在在籍している人材の流出を防ぎたい。これまで、正社員の方が給与も多いはずなのに、派遣や契約での働き方を選ぶ女性が多いことが不思議だった。それは正社員として働くようになったとしても、育児などとの兼ね合いが難しく、辞めてしまうからと気づいた。給与が下がっても融通が利く派遣や契約という働き方が多いことを知り、従業員が急に休みになった場合でも、社内で補い合えるような環境づくりを現在進めている」という。
     実際に、転職サイトの運営会社が20代から40代までの女性約800人に対し行った調査では、現在のワークライフバランスの状況を雇用形態別に聞くと、「良い」と答えた割合が最も高かったのは、派遣社員で40%。契約社員は38%で、正社員は24%だった。トータルで判断して、派遣や契約での働き方を選ぶ人たちが多いようだ。
     女性はもちろん、今後は一層、異業種からの採用を視野に入れる必要がある。一般に他の仕事との掛け持ちや、短時間勤務を希望する層には労働意識の高い人が多いとされている。
     正社員の枠にとらわれることなく、そうした多様な人材や働き方を受け入れていくことが、人材定着率向上の近道なのかもしれない。

     
     
     
     
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