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    事業停止の処分が急増 昨年は前年の2.3倍

    2017年4月21日

     
     
     

     軽微な法令違反の扱いを緩める一方、悪質な行為を厳罰化するといった監査方針や行政処分基準の改正によって、運輸事業者にとっては〝死刑宣告〟ともなりかねない事業停止処分が増えている。平成28年1年間に全国で発出された事業停止は21件で、9件だった前年から2.3倍という深刻な状況。直近の3年間を見ると15都道府県の37事業所が営業ストップの厳罰を受けているが、これ以外にも同期間に車両停止処分を受けた事業所は実に4274件にのぼる。貸切バス事業を対象に昨年12月から処分量定などが引き上げられたが、場合によっては車両停止が事業停止と変わらない事態となる内容。トラック関係者にも対岸の火事では済まされない空気が流れる。
     中国運輸局の管内で1月末、今年に入って初となる30日間の事業停止処分が広島県福山市にある運送会社の本社営業所に発出された。付与された違反点数は34点で、日車数に換算すれば340日車。そのため、1月31日から3月1日までの30日間の事業停止に加え、事業停止が終わった翌日(同2日)から40日車分の車両停止(2両×20日)となる。端緒は関係機関からの通報で、運輸当局の監査でドライバーの勤務時間や運転時間に著しい違反が見つかった。


     同局管内では同26年に事業停止となるケースはなかったが、翌年は同じく福山市内の2事業所(1社は同県尾道市が本社)が30日間の事業停止。さらに同28年2月には島根県益田市、6月に尾道市、11月に岡山市(本社は広島市)と計3事業所が同処分を受けた。端緒別に見ると「名義貸し」「運行管理者選任の未届け」「酒気帯び事故」「労基通報」「適正化機関の情報」となっている。
     事業停止の発出件数は全国的に増加傾向にある。同26年に7件、翌年は9件と微増だったものの、昨年は15都道府県の21事業所が厳罰を受けている。3年間に出された事業停止37件を営業拠点の都道府県で見ると、ワーストは大阪の6事業所で、東京と栃木、北海道、広島が4事業所、静岡3事業所と続く。
     一方、処分の内容を車両停止に向けると同期間の延べ件数は4274件にのぼる。3年間にわたって毎日約4件、全国のどこかで車両停止処分を受ける事業所がある計算だが、〝死刑宣告〟ともなりかねない事業停止と比較されるせいか、近年は50日車を超えるような処分内容が決定しても動揺しないムードが広がっている。
     ただ今後は、そうした意識を変えなければならないような厳罰化の流れもある。例えば、昨年12月から始まった貸切バスの処分強化。「使用停止車両の割合を全車両の8割に引き上げる」という改正は直ちにトラック事業に影響するものではないものの、重大事故を機に段階的な罰則強化が実施される点は共通しており、決して対岸の火事では済まされない懸念材料だ。
     トラック10台の事業所が100日車の停止処分を受けた場合、現行の処分基準では原則として1台を100日間止めることになるが、貸切バスの「8割ルール」では8台を12日間、さらに4台の運行を1日止めなければならない。仮に同じ内容がトラック事業にも適用されると、新規参入の多くを占める車両5台の事業所なら「4台25日間」の車両停止処分となり、ほぼ営業機能が停止する状態に陥る。
     こうなると車両停止も企業規模に関係なく、一段と深刻な事態となる。100日車の処分で2台を50日間止めている30台の事業所は24台4日と残り4台を1日間、現在は5台の停止を求められる100台の事業所なら80台を1日止めたうえで、さらに20台を1日止める格好。取り越し苦労かもしれないが、安全確保に向けて処分の実効性を高めようとする取り組みだけに、運輸業界のどこにも例外がないという自覚は必要だ。

     
     
     
     
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