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    自動車業界取り巻く現況 問題視される整備士の労働環境

    2017年10月3日

     
     
     

     「ドライバー不足」は多くの事業者が頭を悩ませる問題だが、 自動車業界を取り巻く環境が厳しさを増していることも一因なのではないだろうか。若者の「車離れ」はよく聞かれる話だが、世界的な自動車メーカーも数多く存在する日本でも、独自の自動車文化に変化が見られている。近年の自動車業界の現状について調べた。
     2016年は大手自動車メーカーによるメーカー再編、軽自動車の燃費水増し偽装の発覚など、自動車業界にとって激動の1年となった。60兆円にものぼる大きな市場を持つ同業界は順風満帆のように思える。しかし、近年は国内のマーケットは頭打ち状態となっているという。2012年以降、日系自動車メーカーの業績は上向きとなっているが、その理由は円安傾向に転じたことによる輸出によるものと考えられている。輸出の収益に依存している状態は、自動車業界全体の大きな課題といえる。
     自動車業界で、トラックドライバーの労働環境と同じく問題視されているのが、自動車整備士の労働環境だ。ここ5年では、整備士数は34万人強とほぼ横ばいで推移しているが、問題なのは次世代の担い手がいないことだ。新たに整備士資格を取得した人数は2014年に約2万9000人で、2008年と比べて3割も激減している。また、給与体系が低賃金であることも減少に影響しているという。


     転職情報サイトの情報によると、自動車整備士の平均月収分布図で最も多かったのは、月収15万円から20万円未満で52.4%と、他業種に比べ安い傾向にある。その影響からか、2016年4月に国交省の「自動車整備人材の確保・育成に関する検討会」がまとめた報告書によれば、自動車整備士を目指す若者は10年間で半減。また、約5割の整備事業場で整備士が不足している。
     整備士の資格を持ち、かつて整備士として働いていたトラック運送事業の社長は、「国家試験に合格して整備士をしている人が、10万円程度の給料で仕事しているのがおかしいのではないか。レベルの高い日本のサービスマンが、このような扱いのままでは、車を修理する人がいなくなるのでは」と危惧する。
     個人消費が伸び悩む中で、乗用車の価格が上昇していることも車離れの遠因とされている。国内で売れ筋の排気量1500cc以下の乗用車(軽自動車を除く)の平均価格は昨年11月時点で約201万円と、10年前より約2割高いことが明らかとなっている。
     自動ブレーキをはじめとする安全装備やハイブリッド車の電池といったコストが上乗せされたことが主な原因だ。前述の事業者社長も「車価格が高いことで欲しいと感じていない若者が増えているのではないか。維持費が高いだけで、魅力的なものと映らなくなっているのでは」と分析する。
     一昔前、「豊かさの象徴」で憧れの的だった車は、もはやその地位を奪われつつある。必要最低限の物で生きる人たちを指す「ミニマリスト」や、自動車を共同使用するサービス「カーシェアリング」という言葉も知られるようになった。車に関心を示すまでのアプローチ法を考えなければ、さらに多くの人が車に興味を持たなくなるのではないだろうか。そうなれば当然、トラックに乗ろうと考える人も少なくなる。
     与信管理サービスを提供している企業が調査した「100年後も生き残ると思う日本企業ランキング」1位に大手自動車メーカーがランクインした一方で、働く人々の労働環境改善や車両価格の上昇など、まだまだ課題も残る自動車業界。「自動車大国」であったはずの日本の勢いの減退は、トラック業界にも少なからず陰を落としているといえそうだ。

     
     
     
     
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