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    子どもには継がせない 事業継承めぐる現状

    2018年3月20日

     
     
     

    「親が開業した運送会社だが、子どもには継がせることは考えていない」と語るのは福岡近郊で運送業を行う社長。運搬物が特殊なこともあり、「昨今の運賃問題とはあまり縁がなく、経営状態は極めて健全」だという。しかし、それならばなぜ、会社を自らの子どもに継承させないのか。そこには自らが「親と共に働いたことに疲労が伴った」からだという。

    「親の作った地盤で働けることは感謝している」としながらも「自分のしたいように出来ないジレンマが付きまとい、それを子どもに強要するのは違うと思った」と理由を語る。

    中小企業白書によると、国内の中小企業数は約400万社。年間に約29万社が廃業するといい、その中で後継者不足を廃業の理由としているものは25%を占めているという。野村総合研究所の発表では、運送業の事業承継では、10年以内に事業承継した会社のうち、約49%は「息子・娘」、約14%が「息子・娘以外の親族」と半分以上の会社が親族への事業承継を選択している。これに創業者の割合30%を加えると、9割を超える。つまり、M&Aなどの事業承継を選択する運送会社は1割にも満たない計算になる。

    前述の社長は「昨年、近畿地方に土地を購入し、中継基地として活用出来る営業所を建てた」と話す。実は、これもM&Aを見据えた戦略だと語る。「事業承継をする中で不動産は、とても大きい。銀行が土地に金を貸すことと同義」だとし、「中継基地を使うことで、より遠くに荷物を運ぶことが出来る。つまり、売り上げ増が見込め、それが会社売却時に差分が出る計算」だという。

    企業買収も担当する佐賀県の弁護士に運送業界のM&Aについて話を聞くと「トラック台数10台以下の会社が売却メインとなっているのではないか」と、これまでの経験で試算する。「多くの企業買収に携わってきたが、運送業の場合、他業種からの参入が少なく、売却先は、ほぼ運送会社」だとし、「業界の慣習などもあり、M&Aをメインとする企業でも運送会社の買収には消極的な面があると思われる」と現状を語る。しかし、「そもそも運送業の売却自体が少ない方だ」と指摘する。

    前述の社長は「すでに子どもにも跡を継がせないことは説明した。子どもも運送業はしたくないようで、ほっとした」と笑ってみせる。すでにある地盤は、「15年先を見据えたM&Aによる企業売却」だとし、「売却で出た利益を今いる社員で分ける」と語る同社長。「もちろん続けたい従業員は、そのまま働いても構わないが、売却益を渡すことは私自身のエゴ」だと語った。

     
     
     
     
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