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射界
2016年2月15日号 射界
2016年2月18日
「頭を使って知恵を出せ」「知恵の出ない者は汗を出せ」「知恵も汗も出ない者は静かに去れ」とは、ある会社の社訓である。会社が目標を掲げて全力を結集し動き出そうとするとき、何が何でもやり遂げようという強い意志は不可欠だが、それだけでは覚束ない。知恵を具体化させて実践する基礎力が求められるからだ。
▲「知恵のない者は汗を出せ」というが、知恵と汗とは相互不可分な関係にあると考えたい。なけなしの知恵を絞って捻り出された思い付きやアイデアでは、中身の斬新さはともかく、誰もが容易に実践できる内容でなければ所詮、「絵に描いた餅」でしかない。汗を流して具体的に実践しようと努力しても、知恵の裏付けのない行動は舵取りを失った船と同様、どこへ行くか分からない。▲しかし、知恵と汗に裏付けられた行動だからと言って油断はできない。なんの失敗も障害もなく順風満帆に走り続けられるという保証はない。むしろ予期しないトラブルに遭遇し、試行錯誤を繰り返すこともある。目標が遠く目的が大きければ大きいほど、トラブルも多いはず。もちろん、トラブルを恐れるあまり消極姿勢になっては、その時点で目標を自ら放棄することになり自滅しかない。
▲我が国には古くから「七転び八起き」という教えがある。失敗しても恐れることなく、ファイトを燃やし、挫けることなく、何回でも奮起して困難に立ち向かっていく勇気を持てと励まし、西欧の古賢も「壕に一度落ちれば、知恵が一つ増える」と教えている。失敗や成功を重ねながら、一大事に際しての覚悟と知恵が整えられていく。よその会社の社訓とはいえ再考の価値はある。
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