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射界
2020年1月20日号 射界
2020年2月3日
オリンポス山はギリシアの北にある3000㍍足らずの山。この山頂に主神ゼウスが居を構え、オリンポスの神々を宴に招くと考えられていた。このゼウスをまつる4年毎の大祭がいわゆる「オリンピック」。第一回は紀元前776年と言われ、観衆5万人が4日間の競技を見守ったという。
▲現在、前リオオリンピックにはブラジル国内75万人以上、海外から40万人以上の入場者があり、テレビ視聴者は35億人を超えたと言われている。東京オリンピック・パラリンピックの経済効果は30兆円を超えるとされている。古代オリンピックと比ぶべくもないが、オリンピックの商業化が始まったのは1984年のロサンゼルス大会からだろう。
▲テレビの放映権が跳ね上がり、開催地の招致争いが激化したことは記憶に新しい。近代オリンピックの父であるピエール・ド・クーベルタン男爵の「オリンピックの理想は人間を作ること、つまり参加までの過程が大事であり、オリンピックに参加することは人と付き合うこと、すなわち世界平和の意味を含んでいる」との思いとはズレが生じているようだ。
▲古代オリンピックでも近代オリンピックでも変わらないこともある。「優勝者が神さながらに敬い、もてはやされる」ということは、どの時代でも同じだろう。国を代表して参加し、結果を出すということは並大抵ではない。しかし、金メダル至上主義に陥るあまり、敗者に敬意を払えぬようなことは絶対にしてはならない。それを誓って、応援したい。
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