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    重大処分の可能性も 教育と管理に悩む経営者

    2010年5月31日

     
     
     

     出先での飲酒行為と同様に近年、経営者を悩ませる一つに「ドライバーの教育と管理」がある。「無理な運行スケジュールであるのは百も承知」というケースが少なくない実運送の現場では、事故をはじめ、行政処分も視野に入れたリスク対策が喫緊の課題になっている。ただ、こうした経営側の腐心とは裏腹に、一部のドライバーによる身勝手な振る舞いが、会社の経営自体を揺るがす例もある。会社とドライバーの間で今後、これまでなら考えることもなかった新しいルール作りの必要性も生じているようだ。

     先に、ある運送会社のドライバーが「過労運転」で死亡事故を起こしたが、その後の捜査で所属運送会社に時間オーバーなど過労の実態は出なかったという。逆に浮かび上がったのはドライバーの「過労生活」。土・日曜日が休日だったドライバーは1年以上前から、休みの日に他社のドライバーとして日給6300円でコンビニ配送に従事していた。

     まだ子供は小さく、勤め先からもらう30万円の給料と奥さんのパート収入を合わせれば、傍目には生活に困るレベルではないように映るが、趣味のパチンコで借金を抱えていた。ただ、こうした個人的な理由が原因で起きた事故でも、一般には「運送会社のドライバーが過労運転で死亡事故」と大きく報じられてしまう。



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     社会保険労務士の瀧澤学氏は「長引く景気低迷で雇用調整金を受け取る会社が増えており、雇調金の申請では『休み』としている日にドライバーらはバイトに出掛ける有り様。トラック運送の社長が運転代行を頼むと、自分の会社のドライバーがやって来たという笑えない話もある」と指摘。そのうえで「休日にドライバーが何をしているかまで会社が把握しなければならない時代になっているのは確かだ」と補足する。

     一方、「口酸っぱく話しても、なかなか健康診断に行かないドライバーがいる」というのもトラック経営者から頻繁に聞く一つ。しかし過日、ある運送会社の寮でドライバーが死亡していた例は、こうした曖昧な指導現場に一石を投じる格好になった。

     自宅と寮を行き来する暮らしをしていたドライバーの死因はくも膜下出血。寮の自室で休日に亡くなっていたことで労災扱いにならないと判断された遺族が、会社を相手に提訴する材料として持ち出したのは過労と、「年2回の健康診断が未実施」という実態だったという。
     

     瀧澤氏は「健康診断を受けないドライバーがいるのは事実。そんなときは『始末書』を取るのが基本で、再三の指導を聞き入れなかった事実を(記録として)残しておくことも重要」と指摘。そのうえでドライバー教育の重要性を強調している。 (長尾和仁)

     
     
     
     
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