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利用協組、高速事業撤退も 「マイレージ廃止ならお手上げ」
2010年9月6日
高速道路料金の行方が不透明なままで推移している。上限料金制や、それに合わせてマイレージが廃止されるという情報が流れた今春、トラック事業者らが多く加入する利用協同組合の間にも先行きを懸念する声が高まっていたが、現在は成り行きを静観している状況だ。ただ、料金割引が大幅に拡充されたことで、それまでと使用頻度や走行距離が変わらなくても月間の利用料金は大幅に減少。組合員各社とすれば利用料金の軽減化は歓迎するものの、その一方で大口・多頻度割引の条件となっているコーポレートカード1枚当たりの月間利用額(3万円)を維持できなくなっている協組も増えている。
こうした傾向は異業種組合に顕著だ。ある組合の幹部は「1月と2月、それに5月、8月など長期休暇で利用が減少する時期が年数回あるが、そのたびに単価割れ(3万円未満)になっている」と漏らす。大口・多頻度向けのコーポレートカードとは別に、どの車両でも使い回せるうえ、都市高速や本四架橋などで有利とされてきたクレジット系のETCカードとの2本立てで事業を手掛ける協組が大半。「単価割れとなった数か月分の赤字を、なんとか法人カード(クレジット系)の取扱手数料で補填しているのが実情だが、本当にマイレージが廃止されるなら、その時点でお手上げ。高速利用事業からの撤退を余儀なくされる協組は多いだろう」と別の関係者。
また、異業種組合の業界で有力者とされる幹部の一人は、「国交省が発表したのは4月だが、マイレージを廃止するには道路会社による半年前の通知が必要。そうすると実際に廃止されるのは、まだ先という見方もできるが、民主党政権になってからは情報が流れてこない」と指摘。「体力を残している異業種組合のなかには最悪のシナリオを想定したうえで、JHの利用料金が月間3万円に満たないトラック事業者に会費や別途手数料を取る格好で、コーポレートカードへ引き戻すという対処法を模索するケースも見られる」と話す。(長尾和仁)
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