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    「社員倒産」で冷や汗 名義貸しが発覚することも…

    2010年9月13日

     
     
     

     取引先の倒産で多額の貸し倒れが発生…そんなリスクが高い昨今。「社員の倒産」という内輪の事情で冷や汗を流す運送関係者の姿も見られるという。遊興費のための借金などが原因でドライバーが自己破産する例は以前から聞かれるが、それが個人償却や持ち込みのドライバーとなれば事情は一変。場合によっては、名義貸しの発覚まで覚悟しなければいけない。



     重大事故が絡んだケースで償却制のドライバーが「自分のトラック」と主張し、それが端緒となって名義貸しなどの不正行為が明るみになる例は少なくない。警察の取り調べに加え、主務官庁である国交省が監査に入ることで「自分のトラック」という問題発言が見逃されないためだ。

     一方、自己破産に関係して償却制のドライバーが「自分のトラック」と主張する場合は、事業法に詳しくない弁護士らが資産の状況を調べるなかで耳にする程度。そのため、名義貸しというような問題にまで発展するケースは考えにくいのが実情だ。ある運送会社が現在、こうした事態に直面している。

     同社は十数年前から一部で個人償却制を採用。「これまでも社員の自己破産は数例あったが、償却のドライバーは初めて」(社長)とのことで、そうした際の対処法を用意していなかった。ドライバーへの支払いは「運賃収入から燃料代や高速代、車両費などの経費を差し引き、表向きは給料と同様に扱っていた」と社長。

     ところが、専属で入っていた取引先の経営状態が芳しくないうえ、「以前から遊興費などで会社にも借金があった」(同)というドライバーが自己破産の手続きを開始。当面の費用として、さらに会社から借金を重ねたというが「いったん清算して、望むならウチで続けて働けばいいという思いだった」(同)。

     その後、しばらくして弁護士が同社を訪問。ドライバーが主張する「自分のトラック」である?資産?を確認するためだった様子。ただ、いくら車両代の支払いを個人が負担しているとはいえ、トラックの名義がドライバーになっているはずはない。

     事情説明を聞いた弁護士はすんなりと帰ったというが、「もしトラック事業に詳しい弁護士だったら、(名義貸しなど)違う角度から切り込まれたかもしれない」と胸をなで下ろしている。

     このことを知った同業者も「これまでドライバーが『自分のトラック』と話したことで名義貸しが発覚するのは、重大事故が絡んだ場合が大半という認識だった」と話す。

     また、長年にわたって償却制を敷いているという別の関係者は「そのドライバーの場合は償却が終了していたというが、仮に話がややこしくなっても、その時点で会社が買い上げれば済む話。うちの場合は償却が済めばいったん買い上げ、それをボーナスとして本人に渡してきた」と説明している。(長尾和仁)

     
     
     
     
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