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生き残り策、運送業という枠にとらわれない
2010年9月15日
生き残り策を模索する以前に、すでに白旗を揚げている経営者もいる。「このままでは先が見通せない」とする経営者から出てくる発想は、廃業や会社売却など後ろ向きなものだ。「借金がなければ、すぐにでも会社をたたみたい」という。ところが、大企業の華々しいM&Aと違って、中小運送会社の場合は経営状態が悪化して手に負えない状態になってからの売却話なので、買うほうに得るものはないことも多く、なかなか話がまとまらない。
この厳しい経営環境でも、生き残りに力を尽くす事業者も少なくはない。そんな事業者から聞かれたのは、運送業という枠にとらわれない発想力だ。ある事業者は、会社で荷主という言葉を使わないようにしているという。「お客様」や「クライアント」と表現し、荷物を預かって運ぶという発想から抜け出したビジネスを展開。トラックとドライバーというハードを強みにしたサービスを提供している。
ある引越事業者の場合は、「利用者をいかに楽しませるか」という発想に磨きをかけている。最新のITツールを駆使してサービスを提供する様子は、引越事業者というよりもITベンチャーの経営者が新ビジネスを作り上げていくようなイメージだ。
運送業に執着すると、出てこない発想もある。お客様が必要としていることを提供していく観点から、自社の強みを見直していくような新たな発想力を持った経営陣を育成すること、ドライバー教育とは違う、経営陣の育成が必要になってきているのではないか。(千葉由之)
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