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    荷主が白ナンバーを強要、誘い断ると仕事なくなるケースも

    2010年10月15日

     
     
     

     中小トラック業者が荷主から「白」ナンバーによる営業を強要されるケースが相次いでいる。運賃水準の低下や景気低迷の影響から、特に経済環境の厳しい地方都市で「コンプライアンスより生き残り」とする風潮が広がりつつあり、強要までいかなくとも「誘い」を受けるケースは数多い。白トラはもちろん違法行為だが、荷主の誘いに「食べていくためには一時的に応じてもいい」と考える経営者もいる。荷主の白トラ強要に対し国交省は干渉できず、警察の所管となり、大部分は事故などで「発覚」してから初めて罰せられる。全ト協の永嶋功広報部長は「トラック業界はもとより、国民にとっても由々しき事態だ。検問を強化して取り調べるなど警察は対策を強化してほしい」と話している。


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     東北地方で飼料や乳製品を扱い、トラック23台を保有する事業者は今年2月、荷主に呼ばれ、「一部営業ナンバーをやめて白にしないか。うちの仕事はその白ナンバーでやってほしい」と言われた。意味が分からなかったが、「おたくのドライバーが独立したがっている。経費節減にもなるし、お互いにとって良いではないか」と説明された。

     事業者はこの数日前、事業年度更新を控え運賃交渉のため荷主を訪問していた。車両償却費や各種租税公課、自賠責保険や任意保険、燃料・オイルの使用量のほか福利厚生費を含む人件費など運送コストを示し、「特に社会保険未加入は厳しく、ばれたら即車両停止処分になる」と強調。現行の運賃・料金を5%ほど上げてほしいと伝えていた。その答えが「白になれ」だったのだ。

     「過積載も無理な運行も断ってきた」事業者による「運賃値上げ」の申し出に腹を立てた荷主が、出入りのドライバーから「今より手取りが減るだけの社会保険など入りたくない。白なら自由にできる」と聞かされ、「それなら」と飛びついたらしい。事業者は結局「断った」が、ドライバーは退職し、荷主の仕事も持っていった。

     いわゆる「名義貸し」(営業ナンバー)の白トラ行為でなく、荷主が自家用ナンバーの「白」による営業行為を勧めたり強要したりするケースが各地で散見される。「以前は冗談半分に『そんなに(営業ナンバーは)厳しいなら自家用にしちまえば』と言われることはあったが、今はコスト計算までして真剣に話をしてくる」と関係者。

     中部地方で一般雑貨・輸入貨物を扱う保有車両18台の事業者は先月中旬、荷主に「当社の仕事の車は全部うち名義にしたい。その代わり購入代金のローンは支払ってほしい。あとはこれまで通りのスケジュールだが、運行は融通が利くだろう」と持ちかけられた。これもコンプライアンスと規制の厳しい実態を訴えてきた結末だった。「断った」途端、その荷主の仕事はなくなった。

     四国の事業者から同様の相談を受けたという永嶋氏は「これほど荷主から白にならないかと持ちかけられている業者がいるとは思わなかった。大体、白ナンバーで荷物を運んでいる車は○○建具店など自社の社名を入れたり、大手なら看板の役目をしている。何の表示もない白ナンバートラックはむしろ怪しいと考えるべきでは」と指摘。「かつてアンダーだった業者が規制緩和で営業ナンバーを獲得した。その彼らが不況の下、再びアンダーにもぐろうとしているとの見方もある。いずれにせよ全ト協で取り締まることは不可能。警察が検問などで厳しく摘発してほしい」。

     国交省による荷主への規制は?過積載?速度超過?過労運転を強要した場合だけで、白トラ強要は取り締まることができない。貨物課では「荷主による『違法行為ほう助』で警察の仕事になるが、それでも事前に取り締まることは困難だろう」という。ただ「荷主に白トラを強要されたら管轄の運輸局に通報してほしい。実働部隊がいるので何らかのアドバイスは可能。もちろん内密に動く」と呼び掛けている。(土居忠幸)

     
     
     
     
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