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    「片山発言」で激震、全ト協が民主トラ議連に緊急要望

    2010年11月19日

     
     
     

     片山義博総務大臣が「各地のトラック協会に交付金の支出を求める『総務副大臣通知』を廃止する」方針を固めたとのニュースが流れ、全国のト協関係者に激震が走った。本紙が総務省に確認すると、担当部署である都道府県税課では開口一番、「正直言って驚いている」。同省幹部も含め「そういった事実は確認していない」という。この片山発言を憂慮した全ト協(中西英一郎会長)は11日に開かれた民主党トラック議員連盟の総会に「緊急要望」を提出。「交付金を出すか出さないかは、都道府県の勝手という主張は納税者を愚弄する論外の議論」と批判し、改めて交付金の法制化を求めた。


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     総務省は一部報道で、片山大臣が「拘束力はない。従うか無視するかは勝手だ」と話したのは、10月の衆議院予算委員会での質疑応答の場面で「副大臣通知という文書の性格を言ったもの」と説明。某議員から「通達行政は既に廃止されているのだから、交付金の副大臣通知も廃止するか、今年発出した文書は撤回すべきでは」との質問に、「もう出した文書を撤回することはできない」と答えた後半に述べた部分だという。

     片山大臣が発言したのは「10日」とされるが、「どのような場所で、どんな形で話したのか全く承知していない」と総務省。「しかし片山氏の『腹の中』が報道されたのは事実ではないのか。今後、省内で周知徹底されれば、皆さんはそれに従って動くのか」と訊ねると「何ともお答えできない」。

     その一方で総務省は、「それ以前の事務次官通達もそうだが、副大臣通知は交付金の支払いに関して拘束力や後押しする力は持たない」と強調。「文書には期限を設けていないので、今年の副大臣通知は来年も再来年も当分通用する」などと説明。さらに「交付金は昨年の政府税制調査会で継続となり、閣議決定もしている。副大臣通知がなくなっても交付金がなくなるわけではない」と付け加えた。

     もちろん現場では、副大臣通知などは「拘束力を持たない」どころか自治体を動かす「お墨付き」の効力を発揮している。このため、事態を重く見た全ト協は民主党トラック議連総会に「緊急要望」を提出。厳しい税収不足を背景に軽油引取税が継続されるなら、「それと一体の税制措置である『交付金』の継続は絶対の前提条件」と強調。

     交付金について「通達に従う必要はなく、出すか出さないかは都道府県の勝手とする総務省の主張は厳しい経済状況の中、歯を食いしばって暫定税率分まで負担し続けている納税者を愚弄する論外の議論」と糾弾し、「通達に問題があるなら徴税根拠と同様、これと一体の税制措置である交付金についても法制化など、その確実な交付を担保する措置を講じるべき」と訴えた。

     ただ、受け取った議連側からは片山発言を意識してか何のコメントもなかったという。

    「自民党のトラック議連はこうした要望に対して、その場ですぐに満場一致で『支援する』と言ってくれた。民主党の議連はどこを向いているのか分からない」「業界の『票田』目当てで生まれた素人の組織だから仕方ない」などの不満の声も協会内に出始めている。

     16日現在、総務副大臣通知の廃止について全ト協に対し、総務省からはまだ何の連絡もない。このため「正式な抗議を行うこともできない」という。「副大臣通知がなくなっても大丈夫」なように各ト協は自治体とのパイプを、より一層強固にする必要が出てきた。(土居忠幸)

     
     
     
     
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