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    魅力ある職場構築へ トッキュウ(北海道岩見沢市)

    2010年12月9日

     
     
     

     「脈進―」。トッキュウ(岩見沢市)の工藤修二社長の造語で、「仕事の流れをいち早く捉え、前途の望みに向かって進む」「顧客ニーズに応え、信頼される物流技術を提供できるよう、全社員が徐々に進む」という意味を込めている。同社はこのスローガンの下、1年間事業を展開した。工藤社長は毎年、「進」の字を入れたスローガンを考案し、年末に発表している。


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     北ト協労働委員長を務める同社長は、トラック業界の労働環境の悪化に深い関心を寄せる。「行き過ぎた規制緩和により無秩序となった。しわ寄せがドライバーに行っている」と指摘。社会的規制の強化に対応するための費用負担。運賃と物量の低下。労働人口減少と中型免許の影響によるドライバー減少。いくつもの逆風が吹く環境にあって、「魅力ある職場」の構築を強く訴える。

     そのためにも、運輸・労働行政には「同じスタートラインの整備」を望む。「基本的な労働3法を守れない事業者、社保未加入事業者、ドライバー教育をしない事業者などをもっと集中的に指導すべき。コンプライアンス無視の事業者が安く仕事を受ける状況を放っておくことが問題」と話す。

    荷主企業には、真面目に安全・環境対策を行う事業者への積極的な評価と、工場構内や積み込み場など作業環境の改善を要望。公平な競争環境の下、真面目に取り組む事業者が報われなければ、「魅力ある業界になることはない。若い人が来なくなる」と危機感を持つ。

     同社では安全衛生委員会や班会議などを通じて、ドライバーの安全教育や健康管理を徹底、「働きやすい職場」作りを進めている。今後はメンタルヘルスケアの取り組みを始める予定で「精神面での健康度」にも気を配る。

     また、「デイライト運転」は20年以上も前から実施。道内で最も早くから取り組んだ。常に安全を意識するため、社員はマイカーでもデイライトを行っている。このほか、「立ち止まって行うあいさつ」「輪止めの徹底」「車内美化」といった基本的なことをしっかりと指導。これらの安全意識や礼儀、整理整頓などが身につくことは「なによりも個人の財産になる」と同社長は考えている。

     さらに朝礼・夕礼を通じて、会社の方針や業務に臨む際の考え方・注意点などを毎日しっかりと伝えている。道内外の各営業所にも議事録をファクスし、従業員全員が目を通すようにした。この結果、「全社的に意思が統一され、ぶれないようになった」という。最近では「ヒヤリハット」の具体的事例を盛り込み、事故予防のための情報共有化を行っている。

     同社では健康面、安全面、個人のスキルアップなどに目を配り、「魅力ある職場」であるべく取り組みを進めている。

     同社長は現在、来年のスローガンを熟考中だ。「変化する時代の背景を踏まえ、社員のことを頭に浮かべながら、ふさわしい言葉を考えている」と話している。(玉島雅基)

     
     
     
     
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