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シャシー火災 コンテナ積載の振動で駐車ブレーキ入る?
2017年10月13日
火災を起こしたトレーラシャシーは、またも改善対策が未実施だった――。先月下旬、神戸市東灘区内の路上で、激しい爆発音を伴ったシャシー火災が発生した。シャシーは同区内の整備工場に回され、今月3日、消防職員も立ち会いで検証作業が行われた。シャシーに刻印された型式は、メーカーの日本トレクスが2年半前に改善対策が必要だとして国交省に届け出たのと同じものだった。日本トレクスは今月下旬までに詳しい内容を消防に報告する。
神戸市消防局東灘消防署によると、シャシー火災は9月29日午前9時40分ごろ、同市東灘区の六甲アイランドのコンテナヤード付近の公道で発生した。シャシーと荷台部分に積載されたコンテナが一部焼損し、およそ15分後に鎮火した。けが人はいなかった。シャシーを運行させていた川崎コンテナ運輸(同)によると、コンテナ内部の積み荷の被害は3日現在、はっきりしないという。消防によると、シャシーは午前7時に出発、数キロ離れた市内の摩耶ふ頭の荷主との間で往復を経て、六甲アイランド内の信号で動き出したところ、「バーン」という激しい爆発音がした。消火作業に当たった消防署員は、シャシーの駐車ブレーキがかかった状態だったのを確認しており、ブレーキの引きずりで摩擦熱が発生し、引火したものとみている。
火災から4日経った今月3日、同市内の整備工場で検証作業が行われた。消防に加え、運行会社の川崎コンテ運輸、それにシャシーメーカーの日本トレクスなども加わった。検証作業は、火元とみられる右側タイヤ付近を中心に行われた。3軸あるうち、右側の最後輪付近の損傷が激しかった。約2時間の検証作業のあと消防は、駐車ブレーキがかかった状態が出火直後に確認されていたことから、「エア漏れを起こしていた様子」と話した。もっとも、「どの部位からエアが漏れていたかはわからない。走行中に作動したかもしれない」とした。消防は、同時に検証すべき部品としてスプリングチャンバを差し、「(メーカーの)日本トレクスに持って帰ってもらい、(中身を)調査してもらう。3週間後に消防に報告してもらいたい」と述べた。日本トレクス側は特段の発言をしなかった。
運行させていた川崎コンテナ運輸の川崎至公社長は本紙に対し、「このシャシーは、例えばコンテナを積むときの振動が原因で、駐車ブレーキが効いてしまうことがあった。ドライバーにも注意を促していた」と話した。火災当時、乗務していたドライバーは、「20年以上コンテナ車を運転しているが、このような火災は初めて。振動でブレーキが効いてしまうのであれば、それ自体が問題ではないか」と本紙に話していた。
振動による駐車ブレーキの作動について、検証作業に立ち会った日本トレクスのサービス担当者は、「設計上どうなっているかを調べないとわからないが、私自身は聞いたことがない」と話していた。トレーラ火災にも詳しい神戸市内の整備会社社長は、「エア圧が半分以下になれば、振動で駐車ブレーキが入ることはあり得る」とし、根本的な解決策として、「どのような状態で駐車ブレーキが入ってしまってもいいように、スプリングチャンバを最後軸の1組(2個)だけではなく、中軸にももう1組付けるべき」と話した。
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