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    ワタミグループ「物流は血液、『循環型』で効率を追求」

    2009年9月10日

     
     
     

     東京都杉並区に第1号店の居酒屋「つぼ八」出店から25年。現在、ワタミグループ(渡邉美樹社長、東京都大田区)は「和民」「坐・和民」「わたみん家」など外食店舗約600店、有料老人ホーム39ホームに加え、有機野菜などの生産農場8か所ほか、海外にも店舗を展開している。


     「居酒屋というより居食屋、もうひとつの家庭の食卓をコンセプトに展開してきた」と話すのは、外食および介護関係の物流全般を指揮する執行役員で物流部・通信販売統括部長の広瀬貴之氏。安全で安心な素材を求め、30種以上の有機農産物を生産する「ワタミファーム」という自社農場も所有する。
     農場は北海道に3つ、関東に4つ、関西に1つで、来年4月に九州(大分県)にも新設する。農場から製造工場兼物流センターへ輸送しているが、収穫時期により出荷可能なファームが通常、南から北の地域に移るため、物流システムも状況を見て年間、何度か調整している。
     広瀬部長は「以前は各店舗で昼間のパートの人が開店前までに手づくりで仕込んでいたが、200店舗を超える頃から味にバラつきが出てきた。『手づくり』は変えず、全国3か所の工場でまとめてつくるシステムに変え、物流センターも併設した。まとめての手づくり方式にしてから味の統一とコスト削減ができた」と説明。供給のシステムは、各店舗が夜中に発注、ホストコンピューターに蓄積した後、店舗を管轄する各物流センターに振り分けて早朝に仕分け、ピッキングリストを作成、素材を集めて工場に配送、生産する。
     調理品を物流センターから発注店舗へと配送するが、チルド冷蔵で即日配送し、在庫は置かない。広瀬部長は「在庫を置けば保管場所や設備、保管料もかかる。賞味期間や保管状態の管理も必要」と解説。「工場と併設している関東の物流2センターと、近距離の位置に倉庫機能としてのセンターが1か所あり、冷凍原料やドライ品など多少の期間、在庫しても問題ないアイテムを管理。この倉庫と各物流センター間は必要に応じて1日に数回の物資輸送をしており、物流センターと店舗間の配送は毎日。北海道と九州には物流機能だけのサテライトセンターと呼ぶ施設があり、工場から遠方の店舗にはこのサテライトセンターを通して配送する。
     「1工場あたりの採算分岐店舗数は約200。それ以下だと設備投資や維持費が物流費を上回る。バランスを詳細にみて各センターの管轄店舗も調整。店舗配送は平日と休祭日は別ルートで毎月見直している。自社車両はなく、17社の運送事業者に委託している」と話す。「素材と調理品の物流は便の行き帰りで組み合わせているが、自給以外の仕入れ品の配送でも物流ルートに組み入れて取りに行く。仕入れ先と共同配送のシステムを作り、積載率を下げずに物流が血液のように巡回する方法でコスト削減に努めている」。「安心しておいしく安く、を追求する限り、血流である物流システムは変化し続ける。ともに進化の努力をしてくれる運送事業者の協力は不可欠。誤配・遅配・破損など重大クレームゼロを目標に年2回の責任者会議のほか、毎月現場とも会議をしている。ドライバーの顔が見える物流が基本」と語る。(小澤裕記者) 
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    広瀬部長

     
     
     
     
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