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  • ブログ・花房 陵

    1. IFRSと物流、制度対応が必要だ

    2010年8月10日

     
     
     


     わが国は規制緩和という政治手法によって経済の活性化を目指していた。物流業界も港湾ビッグバンや運輸関係、倉庫業界でも規制保護から放任自由化が進んで競争激化の時代になって久しい。自由化の競争は想像以上に厳しいものであったが、利用者側にとっては料金面や契約条件で選択肢が増えた。


     一方、物流事業者にとっては本格的な競争、差別化研究を余儀なくされて、その結果として3PLというコンセプトに基づく営業活動が日の目を見るようになった。だが規制緩和の反面、従来の規制とはまったく別物の新たな制約条件が続々と登場して来ている。PL法対策、ISOブーム、グリーン認証、個人情報保護、セキュリティ強化、そして一昨年の内部統制に備えたコンプライアンス強化である。

     選挙で所得減税を訴えながら、健康保険や社会保険料値上げを隠しているようなものである。

     規制緩和の後に来ている新しい制度にはさまざまがあって、あきれ返るほどであるが、今また新たな制度が生まれようとしている。それは、財務会計における決算書の作り方に大きな影響を及ぼすIFRSである。

     上場企業やその関係会社にとって、デフレ対策で必死なところに再び内部管理や手続きの問題が生じている。IFRSとは、国際会計基準というもので企業の決算書の作り方についての国際化の動きである。

     それがどうしたか?・・・・・・百貨店の消化仕入れが認められないそうだ。売れた分だけを仕入れるなら、それは手数料売上げに計上すべきで、するとデパートの売上げは数分の一まで小さくなる。物流倉庫を出荷したら自動的に売上げ計上されるのが通常のシステムだが、出荷基準の売上げ計上は売上げキャンセルのリスクがあるから、納品時点での検収終了まで、売上げに計上してはいけない。配送伝票の控えが回収できて始めて売上げになる。物流責任と義務がいい気に増える。

     為替変動を予測して多めに仕入れた原材料の棚卸し原価は、公正価格に基づき時価評価しなくてはならない。

    棚卸しの方法を先入れ先出しを含めて抜本的に変えてゆかねばならない。賃貸倉庫で物流活動を行う企業は、最短5年程度で倉庫移転を行ってきたから、撤収費用や原状回復費用を前もって経費計上しておかねばならない。何より、売上げの計上方法が変わり、営業利益の計算方法が包括利益という新しい概念で計算しなければならないなら、物流部門の知らねばならないこと、やらねばならないこと、できなければ退場宣言されることの危険性が一気に膨らんできた。

     新たな制度への対応を心しておかねば、日ごろの効率化追求や業務努力が一気に崩壊する時代に入ったのである。詳細を解説してゆこう。

     

    ・IFRSは会計原則の世界標準

     

     言うまでもなく企業の目的は継続と利潤の追求にある。CSRといって社会への説明責任や正義の原点には納税という企業の責務がある。そこで利益計画や納税のために企業には3つの会計原則がある。管理会計、財務会計、税務会計がそれである。

     事業活動の予算や執行状況を管理するためにあるのが管理会計であり、売上げ予算、経費予算、投資効果などを事業活動ごとに毎月試算しているのがこれである。いわば内部管理のための会計制度である。

     公開企業や外部から資金導入や借り入れを行うためには、外部に対しての説明責任が必要である。企業の収支や将来性を語るものが財務会計と呼ばれるもので、いわば外部の関与者への説明資料である。いま、これがわが国独自のものから国際標準化への動きが始まっている。

     税務会計とは法人税やその他税申告のために行う特殊な会計制度である。投資を経費として認めるには減価償却という制度を利用したり、交際費は経費として認めないというあれである。

     IFRS=International Financial Reporting Standards とは、北米、EU諸国が採用している企業決算の国際標準である。わが国は今まで独自の会計原則を持っており、たとえば公開企業の「含み益」などに影響された不動産の取得評価や時価評価の違いが国際取引では不明瞭と指摘されてきた。

     中国企業による邦人のM&Aや外国人株主の台頭により、邦人企業の決算情報も国際化をま逃れない事態となった。

    特に海外支店や関連会社のグローバル化により、連結会計決算報告を行う際にはIFRSに準じなくてはならないというのが時流である。

     

    ・IFRSではどうなるか

     今年、法人企業としては初めてIFRS方式で決算書の開示を行った日本電波工業のIR報告書を見て欲しい。



    ( http://www.ndk.com/jp/news/2010/1188955_1376.html )

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    花房 陵

    イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
    コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。

     
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