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  • ブログ・鈴木 邦成

    小売業の在庫管理システム

    2008年11月24日

     
     
     

    未来予測の可能性
     株価や外国為替相場の乱高下などを見ていると「ほんのわずか先のことでも未来を予測することは実に難しい」と改めて感じます。いつの日か人類はタイムマシーンなどを発明したり、未来予測を可能にしたりすることもできるようになるのでしょうか?
    小売業の需要予測
     小売業などで「どの商品がどれくらい売れるか」といったことを予測することもきわめて難しいことです。
     しかしある商品が「どれくらい売れるか」、あるいは「どれくらい売れたか」という情報がリアルタイムでわかれば、小まめに在庫を補充したり、需要に対応したりすることが比較的、やりやすくなります。
     けれども、一週間単位や一か月単位といった具合にまとめて情報が入ってくれば、在庫管理は大雑把になり、在庫量も増えてしまうリスクも出てきます。一定期間の顧客の需要情報や販売情報がまとめて伝達されると、必要以上の在庫が小売店や物流センターに集まりやすくなるわけです。
     そこで川上の企業が直接、小売店や物流センターの在庫を管理できるようにする必要があります。
    ブルウィップ効果の回避
     小売業が売上げに応じて問屋やメーカーに補充発注するケース(EOS:電子補充発注システム)では、小売業が需要予測を行い、標準的な納入リードタイムや発注の際のロットサイズなどを参考に安全在庫量を考慮し、メーカーに商品を補充発注することになります。しかしこの方式ではブルウィップ効果が大きくなる危険もあります。
    補充量の把握
     そこで小売業ではなく、メーカーなどの納入側が店舗の在庫管理を行い、補充量を把握する方式が採用され始めています。売上データ、在庫データ、特売データなどから需要予測を行うのです。在庫補充量は納入側が計算することになります。
     この方式を導入すれば、店舗や物流センターの在庫水準を圧縮し、同時に欠品率を改善することが可能になります。
     もちろん、たんに売れたものを売れただけ迅速に補充するのでは十分とはいえないでしょう。売れ行きの特性や季節変動、地域性などの分析も織り込んだ綿密な需要予測システムを構築する必要もあるわけです。
     

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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