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ブログ・湯浅 和夫
第4回:物流サービスのコストを計算する
2007年3月22日
物流サービスのコストを計算するのはなかなか難しい。しかし、これを計算することは企業経営上、きわめて大切なことである。
物流サービスというのは、顧客によって異なっている。物流サービスは、顧客の求めに応じて決まっているからである。たとえばある顧客は「週3回注文があり、ピース単位での出荷が多く、値札付けという流通加工もある」のに対し、別の顧客は「週1回の注文で、ケース単位でそのまま出荷することが多い」といった場合、提供する物流サービスは異なることになる。
そして、どのような物流サービスを提供するかが、物流センターの作業を決める。物流サービスが異なれば、作業負荷が異なり、それら作業に要するコストも異なるということになる。
物流ABCを用いると、作業負荷の格差を正確に反映させて、物流サービスの内容ごとにコストを計算することができる。「値札を付ける」というサービスがあるならば、「値札付け」というアクティビティ(活動)を設定して計算する。値札付けアクティビティにかかるコストは以下のようなものが考えられる。
まず、作業を行っている人件費がある。作業はパートタイマーに任せていても、作業の監督や指導を社員がやっているならば、それもコストとして計算すべきである。作業を行う場所のコストもある。機械を使っているならば、それもコストのうちである。値札そのもののコストもある。
物流ABCでは、これらのコストを集め、「値札付け」というアクティビティにかかっているコストの総額を算定する。そのアクティビティをいくつ処理した(値札を何枚付けた)という数値をつかむことによって、値札を1枚付けるのにいくらかかっているか、計算することができる。これを物流ABCでは、「アクティビティ単価」と呼ぶ。アクティビティを1つ処理するのにかかる費用ということである。この記事へのコメント
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筆者紹介
湯浅 和夫
株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役
1946年 埼玉県生まれ
1969年 早稲田大学第一商学部卒業
1971年 同大学大学院商学研究科修士課程修了
1971年 日通総合研究所入社
1996年 同社経営コンサルティング部長
1999年 同社取締役
2001年 同社常務取締役
2004年 3月、同社を退職
2004年 4月、株式会社湯浅コンサルティングを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。 -
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