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ブログ・湯浅 和夫
第15回:配賦基準を調査
2007年3月22日
◆ 配賦基準を調査する
前回までで、投入要素別コストの算定についての説明をおよそ終えたことになる。ここからは、配賦基準について述べていきたい。
◆ 配賦基準とは何か
配賦基準とは、投入要素別に集めたコストをアクティビティ別に配分するために用いる基準である。
「配賦」とは聞き慣れない言葉かもしれないが、「割り振る」という意味である。
何をもって配賦基準とするかは、投入要素別に異なる。ただ、これでなければならないというわけではない。ここに紹介するのは、これを配賦基準とするのがおよそ適当であろうというものである。(下図)
いかがであろうか。詳しくはこれから説明するが、上記のような項目を見ただけで、例えば、「アクティビティ別の作業時間」といった項目を見ただけで、「これはウチではとても無理だ」といった感想を持たれた方もいるかもしれない。
ちょっと待っていただきたい。どれくらい精緻にデータをとるかという問題もあるが、作業時間調査自体は、さほど大変なものではない。
よく誤解されるところであるが、まずアクティビティ単価を出してみようという段階の場合、作業者一人ひとりをストップウォッチを持って計測して回る必要はない。
アクティビティを示した作業日報を記録させることで、作業時間調査は十分可能なのである。
もう一点、指摘しておきたいことは、このような作業時間調査が可能かどうかと悩んではならないということである。アクティビティ別の作業時間などというものは、物流の現場の実態をつかむために、ぜひとも必要なデータのはずである。実態を掴まずして、どのような管理も可能ではないはずである。
とはいえ、配賦基準に関わるデータは、未だに多くの会社で、容易にとれない状況であることは間違いない。物流ABCに興味を持っていただいたのをよい機会とし、ここで、現場の実態をデータで把握してみてはいかがであろう。この記事へのコメント
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筆者紹介
湯浅 和夫
株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役
1946年 埼玉県生まれ
1969年 早稲田大学第一商学部卒業
1971年 同大学大学院商学研究科修士課程修了
1971年 日通総合研究所入社
1996年 同社経営コンサルティング部長
1999年 同社取締役
2001年 同社常務取締役
2004年 3月、同社を退職
2004年 4月、株式会社湯浅コンサルティングを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。 -
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