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製品・IT
WacWac VR活用した安全教育で事故を疑似体験「監査らくらくキット」
2020年11月27日
「安全革命」を使命に掲げるWacWac(東京都練馬区)は、VR(バーチャルリアリティ)を活用した安全教育と管理者向けの監査対応システム「らくらく監査システム」を連携させた「監査らくらくキット」を今年7月から提供している。
運送会社での勤務経験をもとに同システムを開発した佐々木章太CEOは、「安全教育は、ドライバー全員を集め、資料を読み聞かせするのが一般的だが、資料の内容が実務と乖離していたり、賃金が発生しない時間外に行うなど、長時間労働のドライバーには負担になっていた」と指摘。「当システムは効率的な安全教育を目指して開発した」と語る。
同社では、国交省が定める安全教育の12項目に対応したVR動画を独自に制作。ドライバーは、VR機器を装着し、360度の視界でヒヤリハットや事故を疑似体験できる。
「動画を見る前に、『配達時間を過ぎて焦って営業所を出る場面』など、どういう状況なのかが書かれた資料を一読いただく。背景やドライバーの心境を『自分事』として理解した上で視聴いただくと、リアリティが出て効果を高められる」とこだわりを見せる。
動画はドライバーの目線で進むが、ヒヤリハットや事故の詳細が分かるよう、客観的な視点も取り入れており、リプレーなども効果的に差し込まれる。視聴が終わると、2択の確認テストが1問出される。「簡単で直感的な操作性もこだわった」という同システムは、「熟練のドライバーからも好評で、『初めて自主的にやりたいと思えた』という声もいただく」と話す。「今後は、目線データを利用して、安全運転に定評がある熟練ドライバーが『どの瞬間にどこを見ているのか』が分かるような仕組みを構築したい」。
どのドライバーがどの動画を見たかといった情報は、管理者向けの「らくらく監査システム」に自動的に送られる。「監査でそのまま提出することも可能で、Gマークにも対応している」という。
料金は、20人規模の事業者で月額コースの場合、入会費が15万円、機器費用8万円、毎月の利用料は5万円。「他にも年額コースや初任ドライバー向け・高齢ドライバー向けなど、複数のプランを用意している」。
自身も運送会社で配車業務や横乗り、荷下ろしなどを経験したという佐々木氏。「ドライバーのすごさを、身をもって感じた。ドライバーを支える仕事がしたい」と一念発起し、同社を立ち上げた。「現在、動画は12本だが、来年以降も毎年追加する予定。事故を未然に防ぐため全力でサポートしたい」と語った。
◎関連リンク→ 株式会社WacWac
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