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物流ニュース
【運送業界のインフルエンザ対策(1)】マスク着用や検温実施
2009年6月3日
新型インフルエンザ対策で全ト協も緊急に通知を出すなど、早くから対策を進めてきたが、運送事業の現場でも事業者独自で様々な対策がとられている。
神奈川県で食品輸送をメーンに展開する運送事業者は、従来から行っていたアルコールチェッカーによる飲酒検査に加えて、検温を実施。体温が37度7分以上の場合は乗車させないことを徹底。新型インフルエンザの報道があってから、すぐにドライバー全員にマスク着用を義務付けた。荷主の工場で従業員にマスクを義務付けるより先の対策だったので、荷主から感心されたという。
同社社長は「食品を扱っているので、もし1人でも感染者が出たら、工場がストップしてしまう」という緊張感の中で、ドライバーにマスクを着用させているという。工場が止まれば物流も止まる。「ドライバーがウイルスを持ち込んでしまい工場を止めるような事態は絶対に避けたい」と強調する。
大手物流会社などでも、協力運送会社に対してマスク着用を通達しているところが出てくるなか、マスクの品切れで困る運送事業者が出てきた。急激な需要の高まりでマスクがどこにいっても売り切れとなっている。
緊急輸送に対応した輸送を展開する運送事業者は、「マスクがないので仕事を受託できない」と訴える。依頼される仕事の条件にマスク着用が義務付けられているからだ。知り合いを探して何とかマスクを手に入れたが、マスクがなければ運送事業者が届け先に行けない状態になっているという。
新型インフルエンザ対策として、今秋以降の流行に備え、今からマスクの確保を検討する事業者もいる。インフルエンザ対策は運送事業者にとっても重要な課題になってきている。
(千葉由之記者)
■「マスク着けて総会」大ト協南大阪支部
兵庫県や大阪府で新型インフルエンザにかかった患者が増大していることから、各自冶体は拡大抑制に力を入れている。運送業界でも新型インフルエンザの影響が広がっている。
大ト協南大阪支部(澤田時雄支部長)は5月22日に開いた総会で、会場入り口付近でマスクの配布やアルコール消毒を行っての入場を義務付け、参加者はマスクを着用して出席。総会後の懇親会は中止となった。
海コンを輸送する大阪市港区の事業者も、荷主からの要望によりドライバー約100人に対してマスクとアルコール消毒剤、体温計のセットを配布。輸送時には必ずマスクを着用し、手のアルコール消毒を実施している。
実際にマスクやアルコール消毒薬を持たせている運送会社社長は「2つの荷主からマスク装着を義務付けられ、急いで薬品会社などに連絡して用意した。運送会社でも感染予防対策が求められている」と話す。
別の食品輸送事業者でも、「阪神地区は新型インフルエンザの感染が広まっていることから、マスクをはじめアルコール消毒など徹底した対策が求められている。マスク確保に四苦八苦している」と語っている。
海コンや食品輸送業界では一般の運送事業者より神経を使っているようで、思わぬ対応が迫られている。
(佐藤弘行記者)この記事へのコメント
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