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    乗用車感覚でトラック運転 危険な若手ドライバー

    2012年9月6日

     
     
     

     ある運送会社の運転者が2トンの冷凍車を高速道路上で運転中、渋滞を前に減速するためエンジンブレーキをかけたところトラックが横転。運転者は無事だったがトラックは走行不能になったという。近年、トラックの構造を理解しないままハンドルを握る若者が増えていると言われるが、運送会社社長も「最近の若者はトラックを乗用車感覚で乗っている。非常に危険。ド素人のトラックドライバーが増えつつある」と懸念している。


     ガソリン車とディーゼル車のエンジンの回転域は構造上異なり、ガソリン車では4000─5000回転までエンジンを回転させることができるが、ディーゼル車は2000回転程度でレッドゾーンとなり、ガソリン車と比べて回転域は極めて低い。
     そのためトラックは失速時の抵抗を少なくするため、排気ブレーキをかけ、十分減速させてからエンジンブレーキをかけていく必要がある。運転者は、いきなりエンジンブレーキをかけてしまったためトラックがロック状態となり、横転してしまった。トラックの修理には多額の費用がかかったようだ。
     同社社長は「教習所ではガソリン車で普通免許を取得させており、運転者も乗用車の感覚でトラックを運転していたのだろうが、トラックでのエンジンブレーキはタブー。最近の若い者は簡単にトラックを運転できるものと考えている」と、怒りが収まらない。
     「職人ドライバーではなく、サラリーマンドライバーの感覚だ」と話す別の運送会社社長。「チェーンをタイヤに巻くことができない運転者がどれだけ多いか。タイヤをスペアタイヤに代えられない者もいる」。今年、運賃3万円の仕事中にタイヤがパンクし、7万円のレスキュー代がかかったという。「ダブルタイヤの外側のパンクで、一番楽なところなのにレスキューを頼むとはもってのほか」と、運転者のサラリーマン化を嘆いている。
     また、「車にこだわりを持ったドライバーも減った」という声も聞かれる。乗用車、トラックを扱う販売会社社長は、昔は車に対して運転者は強いこだわりを持っていたが、今はないと話す。
     「乗用車でも『この色で、この形で、この仕様で』と細部にわたって注文を付け、妥協を許さない運転者が多かったが、今はそれがない。価格が中心になっており、トラックも同じ。『ここの運送会社は、給料は安いが、このトラックに乗れるから働いている』といったトラックへのこだわりが昔はあったが…」という。「運賃が下落し給料も安くなって、トラックドライバーに魅力を感じず、誇りを持てなくなってきているのかもしれない」とも話す。

     
     
     
     

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