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    「特車問題」国交省で検討ムード 地方の叫びを中央へ

    2012年9月13日

     
     
     

     誘導車配置の適用除外や通行許可申請に要する期間の短縮・簡素化など、トレーラ事業者にとって長年の懸案である「特車問題」。そこに風穴を開けようと平成21年に広島ト協の重量部会メンバーらが始めた活動が中国ブロック、さらに全国レベルへと広がり、国交省でも検討に入るムードが出ている。いまなお建設・運輸省時代の〝省壁〟が国交省内に漂い、道路法や道路運送車両法など関係法令が複雑に絡む難題だけに業界要望の実現には紆余曲折が待ち受けるが、地方の叫びを中央へ届け、行政を動かし始めた活動を評価する声は大きい。


     広島ト協5階の大会議室で7月24日に開かれた中間報告会には、トレーラを保有する同ト協の会員のほか、中国ト協を構成する岡山・山口・鳥取・島根各県の重量部会長と事務局ら74人が出席。全ト協の礎司郎・輸送事業部長が同問題の経緯と、要望内容を検討するために立ち上げたワーキング委員会の活動状況、それらを踏まえて作成した要望書を3月21日に国交省(道路局および自動車局)へ提出し、それを基に行政との勉強会を開いた現時点までの流れを説明した。
     特車問題に地域性はなく、これまでも全国各地で事業の円滑化に向けて法整備を求める声は多く聞かれてきた。そうした事業者の思いを明確にするために広ト協では同21年7月、トレーラを保有する会員241社にヒヤリング調査を実施。その後に活動ベースを5県ブロックへ引き上げ、まとめた会員の声を中国ト協の要望書として同23年2月に中国地方整備局と中国運輸局に提出したが、大半の問題について「本省へ上申する」という反応にとどまった。
     そのため中国ト協は同年5月、全ト協重量部会の常任委員会で国交省への要望活動を依頼したうえ、翌6月に全ト協会長あてに「特殊車両通行許可制度ならびに基準緩和車両に関する要望書」を提出。全ト協の同部会に設置されたワーキング委員会で中国ト協の要望内容を精査するとともに、山口・福岡・岐阜ト協などから出された意見も踏まえて要望案を作成。数回の行政ヒヤリングなどを経て今年3月、道路局と自動車局を訪ねて要望書を手渡している。
     24日の中間報告会は、一連の要望活動の出所である中国ト協の地元で現状を説明するために開かれた。「誘導車配置の適用除外」「通行許可申請の期間短縮、簡素化」といった要望の柱をはじめ、現段階でトレーラ業界の懸案が打開の方向へ動いたといえる状況ではないものの、例えばC条件の緩和は「安全面で現行を上回る案や実証できるものがあれば検討可。条件を付したうえで一定区間の緩和であれば検討の余地がある」、通行許可申請の期間短縮についても「難しいが検討する」と当局は回答。これが進展か否かの判断は難しいが、業界の声を意識付けたのは確かだ。
     報告会では、経過説明を踏まえて参加者から「トラクタに回転灯を設置し、誘導車の配置を不要にしてほしい」「産廃のように(荷物を)出した側にも責任を問う仕組みが必要」「過積載と同様に、荷主に罰則を設ければ誘導車の配置は可能になると思う」「国交省とネクスコの(通行)規制が乖離している」「(継続緩和について)地域間での審査を統一してほしい」などの意見が相次いだ。
     一方、中国ト協の事務局を務める山根徹吾専務(広島)は「少しは動き始めたかと感じる。処理期間などは安全に直接かかわる問題ではなく、行政側が本気で取り組めば改善案は出せる。前向きに検討してもらえるように再度、行政との勉強会で伝えていきたい」と説明。礎部長も、ワーキング委員会での活動を継続していく方針を示したうえで「きょうの意見も新たな要望に盛り込み、進展があればフィードバックする。国交省とも、いろんな話ができるようになった。実情を伝え、法改正をともなわないものはドンドンやってもらうという方向で進めていきたい」と応じた。

     
     
     
     

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