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    事業停止ハイペースで増加 3ケタの大台になる可能性

    2012年10月5日

     
     
     

     交通事故や通報などを端緒に、「事業停止」の行政処分を受けるトラック運送事業者が例年を上回るペースで増加している。地方運輸局の管内では関東が、また都道府県別では7月の時点で茨城、栃木、神奈川、広島、福岡などが、すでに昨年1年間の件数比で倍増以上という非常事態。猛暑によるドライバーの疲労感などの影響もあってか今春以降、営業トラックが絡んだ重大事故が全国各地で頻発しており、それらが引き金となった行政監査も相次いで実施されている現状を踏まえると、「事業停止」が初の3ケタに達しそうだ。


     過日、西日本の運送会社の大型トラックが複数の死者を出す重大事故を起こしたが、悪質違反の要素があったのか、関係者によれば「すぐに行政当局の監査が入った」という。同様の事例を過去にも見たことがあるが、そのときも「ノーブレーキでの追突事故」という状況からドライバーの過労度に加え、会社側の管理体制が厳しく問われた結果、事業停止処分に至った。
     記録的だった一昨年と同じく、今夏も猛暑が一因と考えられる事故が多発している。長距離便をメーンにする広島市の運送会社社長は「現在の荷動きや実勢運賃のなかで、国が求める労働時間を実際に守れているトラック事業者がいるのか、本当のところを聞きたい。昼間は猛暑、日が落ちても連日の熱帯夜でドライバーは車内で満足な仮眠・休憩も取れていない。寝不足で死亡事故でも起こせば、それでパーになるのが現実ではないか」と訴える。
     一方、9月に入って同地区の運送会社には労基署から封書が届いた。「フラっと立ち寄った感じだった」(同社事務員)という労基署の担当者が置いて帰った是正勧告書に対する改善報告書が、「期日までに提出されていない」ことを警告する内容だった。36協定がないまま長時間労働を繰り返している実態や、健康に問題(高血圧)があると診断されたドライバーを放置している…など三つの項目について是正を指摘されていたのだ。
     社長は、勧告書を出した担当者に電話で「オタクらがいう通りにやれば給料は払えないし、そのことをドライバーも理解している。それでも法律通りにやれというなら、オタクらも徹底して調べないと納得できない。例えば社会保険の問題。トラック事業者だけでなく、どれだけの会社が未加入のままか把握しているのか」と訴えた。
     行政処分の基準が厳格化されて以降、年を追うごとに事業停止の件数は増えている。平成21年の36件から翌年は63件へと急増し、同23年に76件を数えたが、今年に入って一段とペースが上がっており、7月の段階で55件。昨年を例に取ると、8月からの5か月間で年間件数の約半分に相当する事業停止が発出されているが、そうしたデータを踏まえると今年は3ケタの大台に乗ってしまう可能性もある。
     また、昨年の事業停止処分(76件)のうち関東運輸局の管内が45件(59.2%)と突出していたが、その傾向は依然として続いており、今年に入ってからの7か月分でも61.8%(34件)が同局の管内。都道府県別では、昨年1年間の事業停止数を7か月間で大幅に上回っているのが10件の茨城(昨年4件)、6件の栃木(同3件)、7件の神奈川(同1件)、広島の4件(同2件)などとなっている。

     
     
     
     

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