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物流ニュース
2013新春熱闘対談 竹原慎二氏×佐久間恒好氏(1)
2013年1月22日
竹原慎二氏(元WBA世界ミドル級チャンピオン) × 佐久間恒好氏(全国物流青年経営者中央研修会研修幹事)
佐久間 若手の青年経営者といっても年齢は色々で、おおむね40歳くらいをイメージしていただきたいと思います。
竹原 40歳くらいですね、はい。
佐久間 私も43歳になりまして2代目です。
竹原 そうですか。僕がちょうど40歳です。ほぼ同年代ですね。
佐久間 トラック業界も、われわれの親世代が高度経済成長期に発展してきた経緯があります。昨今の社会・経済状況になって、非常に厳しい経営環境になっています。具体的に言いますと、やはり生命線である運賃・料金問題です。物を運ぶ運賃が段々下がってきている。
竹原 知り合いの運送業者の方などから、そういうこと聞きますね。
佐久間 一方、社会情勢というのがどんどん豊かになって、物流業界に携わる人たちの、普段なかなか国民の皆さんが見えないような給料だとか生活のところで置き去りになっているような、非常に厳しい背景があります。また、燃料価格高騰が響いておりまして、やはり物流業というのは固定費、人件費とか燃料費とか非常に大きな経費になっています。
竹原 はい。
佐久間 その中で品質も向上させなければならず、まだまだ20年、30年と勝負していかなければならないところに立っているのですが、トラック業界は、実は中小企業、零細企業の集まりと言っても過言ではないんですね。運送会社というとどんなイメージを。
竹原 僕は結構色んなところへ取材に行ったりするんですけど、物流って、まあ大変と聞いているし、でも頑張れば頑張っただけおいしい思いができると言ったらおかしいけど、ね。
佐久間 経営者としては、現場で頑張ってくれている社員に少しでもお給料を多くしてあげたい気持ちはあるんですけれども。
竹原 そうですよね。
リスクに対して備えを
佐久間 現状はコンプライアンスの「時間」など当然縛りがありまして、その中でやろうとすると、どうしても経営者側として満足できる給料を捻出するのは厳しくなっています。
竹原 そうですよね。でも、どこの世界でも一緒じゃないですかねえ。今、不景気で物流関係者だけじゃなくて、日本経済がおいしい思いをできるところないですからね。大変ですよね。政権が変わっても変わりそうにないですからね。
佐久間 実は、2年前に全国の代表を仰せつかった時に、物流に携わる若手青年経営者の心の中が一体、どうなっているのかなと感じたことがありました。東北ブロックにお邪魔した時だったのですが、私たちが40代の今の立場で「事業を自分の子どもに継がせたいか」という質問を、会場で約700人に○×で答えてもらったんです、そうしたら残念なことに、9割以上が×だったんですね。やはりそれが現状と言いますか、「できれば自分の子どもには違うことをさせたい」のです。裏を返すと、自分がこれから20年、30年どこに目標、バックボーンを持って社員を幸せにしていこうとか、自分自身が中途半端な立ち位置というか、そんな状況なんです、全体的に。先ほど竹原さんがおっしゃったように、どこの業界も一緒だと思いますし、その中からどうやって自分が飛び抜けていくのかというところで、みんな本当に格闘しているんです。
竹原 そうですよね。
佐久間 正に、ボクシングの世界の価値観に似ているなと。
竹原 僕も子どもには絶対やらせたくない。プロの中でもメシが食えるようになるのは、本当に一握りだけですからね。
佐久間 ボクシングの試合を私もテレビで観ることがあるのですが、全く相手のパンチが当たらないということはないと思っていますし、仕事ながらに。何らかの形で軽く当たってくるじゃないですか。飛んでくる相手のパンチを予測したり、相手を見て自分がさらに先に打ち込むような、そういう心理だとか、頭の中でどういう風に描いて危険回避していくのか聞いてみたかったんですけど。
竹原 どうなんですかね。色々な条件において対応できるように日々トレーニングするしかないんじゃないですか。こう来たときはこう避けてこう攻撃する…。それしかないと思うんですけどね。練習だけですよね、やっぱり。
佐久間 つまり、それって私たちの業界で言うと、起こり得るかも知れないリスク。
竹原 そうですね。
佐久間 リスクに対しての備えというか、訓練というか勉強というか。
竹原 まあ、物流業でも危険はかなり伴っているからね。社員さんが事故したら、もうおしまいじゃないですか。色々調べられたりして。ドライバーさんの体調管理もしっかりしないといけないし。前日に飲み過ぎたりしたらだめなんでしょ。
佐久間 アルコールチェックが義務付けられているので。
竹原 そうですよね。
佐久間 経営という部分では先ほど申し上げたように、色んな部分で「勉強しよう」という気持ちは当然持っているんです。それは今、おっしゃられたような練習というかリスクに対する備えというか。戦う土俵は違うのですが、似ているところがあるのかなと。
竹原 あると思います。とにかく、前向いて頑張るしかないですもんね。それしか未来が見えないですよね。腐っても駄目だし。
佐久間 竹原さんの場合、練習量が他のボクサーと全然違いましたよね。
竹原 上を目指している人はみんなそうですよ。藤岡(T&Hジムに所属するWBC女子世界ミニフライ級チャンピオン)なんかハンパじゃないですよ。
佐久間 竹原さんご自身も相当な練習量で、現役時代は池上本門寺の石段を毎日駆け上がって…。
竹原 何回も上がりましたね。でも大したことないです。当たり前ですから、上を目指している奴なら。
(つづく)この記事へのコメント
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