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    間口広げる若手の構想 「思いと技術」の団体へ

    2013年7月31日

     
     
     

     若手経営者を中心に、「運送会社同士の合併」が再び俎上に載っている。扱える事業テリトリーの間口を広げることで、これまで取りこぼしのあった受注をもう一度拾い集めていくーーといった、積極的な戦略かつ、対等な関係に基づく声が聞かれる。
     もちろん合併には、債務をそのまま引き継ぐというリスクや、「一国一城の主」としてのプライドゆえの問題も残る。それでも彼らにいま、重い腰を上げさせるのは、景況感が全く上がってこない、今後生業としての実運送の分野はますます競争が激しくなるという厳しい事業環境が背景にある。


     近畿地方の40歳代の運送経営者。機械製品などの輸送を主力にし、ここ数年、新たな仕事の獲得を目指し時間を割いて営業活動をしてきた。それでも新たな荷主候補からの受注条件は「同じ仕事を従来より安く」が基調だった。貨物の性質上、積み合わせなどの安値も提案しづらく、かといって人件費などの基本経費を抑えることにも限界がある。
     そこで目に付いたのが、現在の荷主が出荷している小口貨物など「取りこぼし貨物」の存在。経営者は、「路線業者に出している貨物をそのままウチが実際に運ぶことは体力的に不可能。しかし、この荷主からのありとあらゆる出荷の窓口になることはできる。現在、取り込めているのは出荷の半分程度でしかないことも分かった」。既存荷主の深掘り作業だ。
     機械製品輸送以外のテリトリーに属する仕事は、全て断ってきた。「機械製品に近い分野なら対応しようという意欲もわくが、雑貨の集荷・配達や食べ物関連になると『ウチはやっていません』と断り続けてきた。これで伸びるはずはなかった」と話す。
     事業テリトリーの間口を広げるために、トラックと従業員を増やし、倉庫まで用意するーー。そんなことができる事業環境ではとてもない。そんな悩みを共有しあえているのが、同じ運送業ではあるが事業テリトリーのそれぞれ違う複数の会社。経営者はいずれも30〜40歳代だ。
     経営者は言う。「従来の協同組合などは金があれば入会できたし、入りたくなくても地域のしがらみで入ることが半ば強要される場面もあった。しかし、我々が構想しているのは『思いと技術』で結ばれる団体だ」。強くなるための対等合併が増えれば、これまでの「一国一城」的な運送事業者の常識も覆されるのでは、と見ている。
     同じ近畿地方の事業者は、事業テリトリーを絞り込んで協同組合の立ち上げなどに取り組んできたが、なかなか各組合員の本腰が入らなかった経緯がある。事業者は今回の事例について、「合併するという考え方は昔からあった。しかしなぜ今か、という根本認識をしっかりと固めておく必要がある」と話す。
     また、神戸市内の別の事業者は、「団結という総論はよし、しかし各論になるとハラを割らない人が多すぎる。燃料サーチャージの収受などが典型だ」と話す。
     また、別の若手経営者は、「法的にも、そして社会常識的にも流動化が当然とされる市場では、『安くても誰かがその仕事をやる』という構造が問題ではなく、むしろ、『なぜそんな合わない仕事が存在するのか』を問わなければならない」とし、分断状況にある事業者間の意識を手当てしなければ合併は進まないのではないかと懐疑的だ。

     
     
     
     
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