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    未払い残業代 運転者と法律家が狙い撃ち

    2013年5月13日

     
     
     

     「トラック運送業界の未払い残業代は、ドライバーと法律家から狙い撃ちにされている。今後も間違いなく増える」と断言するのは弁護士の中村浩士氏(中村総合法律事務所、札幌市中央区)。同事務所にくる運送会社からの相談のほとんどが「残業代の問題」だ。経営者が適切な管理を行っていなかったばかりに、「損害金や付加金も加え、ドライバーが1年で1000万円を超える非常識な収入となり、2年分でこの倍になる請求も現実に出てきている」と警告。同様に、「トラック運送は時間外が発生しやすい業種だが、運賃が安く経費が上がっているので『未払い残業代は仕方がない』なんて事情は裁判所では通用しない。労働者に裁判に持ち込まれると会社はまず負ける」と、弁護士の冨岡俊介氏(冨岡公治法律事務所、同)も話す。


     労働時間や賃金体系の規定が実態とずれている会社の場合、ドライバーから訴えられれば、どこの会社でも起こりうる現実的なリスクだという。ドライバーにとって「濡れ手で粟」のようなケースがあることが知られ、一部の法律家やユニオンが「絶対に勝てる」と捉えて焚き付けていることもあり、運送会社は、いつ訴えを起こされるか分からない状況に置かれている。
     根本的な解決は、適正で適法な勤務・賃金体系を敷き、実態に合った就業規則を作り、働いた分だけしっかり給与を支払うという常識的なことだが、「昔からこれでやってきた」「すぐには対応できない」という事業者は少なくない。また、起こってもいない問題に対し、「費用をかけてまで就業規則を改定する」意欲がわかない事業者もおり、なかには「拘束時間が長い運送業に、現行の労働法制が合っていない」とルールに問題があると話す事業者もいる。
     しかし、未払い残業代問題を放置すると、会社がつぶされかねない事態にもなりうる。このような場合、事前の簡単な取り組みでリスクを減らすこともできるという。
     中村氏は「業務の棚卸し」を定期的に行うことを提案。「ドライバーが申告する勤務時間や運行ルートが適正なのか、管理者が定期的に横乗りをするだけで、時間外を減らせる可能性がある」と話す。「事務所を出た後はドライバーに任せっきりにするのでなく、より効率的なルートや作業方法があるのかもしれない。手待ち時間も余分に取っている可能性もあり、どこかで時間をつぶして休んでいることもある」と説明する。業務を棚卸して、「ドライバーのこれまでの申告と異なっている部分があれば、それを記録する。これだけで労働時間の削減や、訴えられるリスクを減らすことができる」。
     冨岡氏は「基本給をなるべく抑え、割増賃金の支払いとして定額の手当を支払う旨を明示した上で、ドライバーの同意を取り、実際に割増分との差額をその都度、精算する」という方法を薦め、「これが、時間外が多い運送業界に最も合っている賃金体系だと考える。このような取り組みをしていれば、手当まで基本給に算入されて常識はずれの賃金支払いを請求されることは防げる」と指摘している。

     
     
     
     

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